臨死!!江古田ちゃんってどんなドラマ?
あらすじ
北海道出身で、東京・江古田駅近隣に住む主人公は、派遣社員として事務員、テレフォンアポインターからヌードモデルに、夜はキャバ嬢などフリーターとして暮らす毎日。家の中では常に全裸ですごし、異性関係もかなりだらしない。また異性に受けの良い女性を“猛禽”と呼び、丸だしの敵意と人間考察を語る。
見どころ
本作は当時の深夜ドラマ枠において「事件」と言えるほど尖った、非常にショッキングなドラマと言える。
なぜ本作が単なるコメディの枠を超えて視聴者の脳裏に焼き付いたのか、今となってはわかりにくくなっていると思われるので、その見どころと衝撃を解説してみよう。
「鳥居みゆき」という、これ以上ない劇薬の投入
まず最大の衝撃は、主人公・江古田ちゃんを鳥居みゆきが演じたこと。当時、孤高のピン芸人として圧倒的な「狂気」と「美しさ」を放っていた鳥居が、原作の「家では常に全裸」「感情が爆発すると手が付けられない」というキャラクターを完璧に体現している。
部屋では服を着ないという設定を、絶妙なカメラワークと演出で、下品ではなく「剥き出しのリアル」として表現。さらに独特の虚無感と、時折見せる凄まじいエネルギーの爆発は、彼女にしか出せない「江古田ちゃんの毒」そのものだった。
「猛禽」との容赦なき戦争
原作からの最大の見どころは、世の女性を敵に回す「天然を装って男を狩る女」=「猛禽」に対する、徹底的に辛辣な観察眼。
江古田ちゃんが猛禽の生態を分析し、心の中で毒を吐き散らす姿は、当時の女性視聴者から「痛快すぎる」「共感しかない」と猛烈な支持を受けた。
可愛さを武器にする女への憎悪を、ここまでスタイリッシュに、かつ生々しく描いた映像体験は極めてショッキングだったと言える。
深夜30分の「都会の吹き溜まり」のリアル
キラキラしたトレンディドラマとは真逆の「派遣社員」「家賃の安いボロアパート」「本命になれないマーくんとの関係」という、都会の片隅で生きる女性の身も蓋もない日常が描かれている。
鳥居さん自らが歌う「江古田ちゃんの歌」という自虐と哀愁に満ちたテーマ曲が、深夜の虚無感を増幅させていた。
後に『おそ松さん』などでブレイクする松原秀がキレのある台詞回しを書き、原作の持つシニカルさを加速させている。
原作:瀧波ユカリの「女の業」の解剖
瀧波ユカリの原作は、当時の女子文化に対する「強烈なカウンター」であった。
「自分を綺麗に見せたい」「選ばれたい」という欲望を削ぎ落とした先にある、「そのままの自分で生きる苦しみと自由」。
それを映像化したこのドラマは、単なるコメディではなく、ある種の前衛的な人間賛歌として機能していたと言える。
当時の視聴者にとって、鳥居みゆきが裸で転げ回りながら世の中の理不尽に中指を立てる光景は、2011年という時代の空気感の中でも飛び抜けてパンクで、忘れがたい衝撃だった。
ファーストインプレッション
予想に相違して、ドラマというより原作の4コマをコントにした作り。
そりゃそうだよね、変な筋がつかなくてまずはひと安心。
読んだおぼえのあるものが大半。
「イメージにぴったりと言われたので、てっきり猛禽の役だと思ってました」という闘志みなぎるコメント(笑)を事前に出していた鳥居みゆきだが、なんと、ほんとに全裸で出てきたので驚く。
まさか吹き替えなど使っていないと思うがどうか。
原作には女性に対するあらゆるファンタジーを粉砕する効果があり、若い男が読んだ端から草食系になってしまうのではないかと懸念されるのだが、そういうものなので、全裸でももちろんエロさはゼロである。
江古田ちゃんそのもののルックスなので、江古田ちゃんのリアリティが鳥居みゆきの形になってしまうという、逆転現象が初回から起こっており、江古田ちゃん以外のキャストの充実(猛禽はもっとパワーアップしてほしい)が望まれる。
写真モデル、テレフォンサポート、フィリピンクラブなどの舞台が出てくるのが楽しみである。
毛皮族の江本純子演じる友人Mも楽しみ。
臨死!!江古田ちゃんを観るには?
臨死!!江古田ちゃん 作品情報
キャスト
スタッフ
脚本:松原秀
主題歌:「江古田ちゃんの歌」作詞/瀧波ユカリ 作曲/ハセベノヴコ 歌/江古田ちゃん(鳥居みゆき)VAP
撮影:大谷アグリ
VE:外城勇一
照明:木村弥史
音声:渋谷誠一
CA:鳴海寛起
美術:加藤健一
装飾:吉原芳郎
持道具:宮友里恵
衣裳:斧木妙恵
メイク:秋山直美
編集:福田豊
MA:和田修
音効・選曲:小西善行
ロゴデザイン:レッドルースター(下山隆)
CG:青木伸治
技術統括:佐藤博文
宣伝:松榮大 福井はるな
スチール:土屋久美子 中武宏太
宣伝デザイン:高橋育恵
主題歌プロデューサー:田中宏太郎
助監督:井原真治 小笠原直樹
記録:菅真彩子
プロデューサー補:志田篤彦
メイキング:高橋政彦
製作担当:飯塚昌夫
チーフプロデューサー:森實陽三
編成企画:植野浩之
編成:高谷和男
考査:湯元敏浩
製作委員会:VAP/大島満 茶ノ前香 帆山賢一 月成大地 4cast.co.jp/森永宏二 佐藤純一 D.N.ドリームパートナーズ/小野利恵子 堅田真人
企画プロデュース:伊藤響
プロデューサー:池田健司、仲野尚之、八木欣也
演出:山下学美、三浦伸介
企画制作:日本テレビ
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:臨死!! 江古田ちゃん 製作委員会





コメント