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ファイトクラブ

4.0
ヘレナ・ボナム=カーター(ファイト・クラブ) 映画
ヘレナ・ボナム=カーター(ファイト・クラブ)
『ファイト・クラブ』(原題:Fight Club)は、1999年製作のアメリカ映画。チャック・パラニュークの同名小説の映画化。

『ファイト・クラブ』ってどんな映画?

石鹸、赤いジャケット、そしてビル群が崩れ落ちるラストシーン……。
「第一のルール:ファイト・クラブのことを口にするな」。デヴィッド・フィンチャーが、チャック・パラニュークの小説を究極のビジュアルで映画化した、カルト的人気を誇る衝撃作。現代社会の虚無と消費主義に抗う男たちの狂気と、二転三転するストーリーテリングが観る者の価値観を揺さぶる。
ブラッド・ピットのカリスマ性溢れるタイラー・ダーデンと、エドワード・ノートンの不安定なナレーターの対比は完璧。若き日のジャレッド・レト、後に『マインドハンター』でフィンチャーと再タッグを組むホルト・マッカラニー、そして強烈な印象を残した故ミート・ローフなど厚みのあるキャスト陣。

あらすじ

心の中に問題を抱えるエグゼクティブ青年ジャックはタイラーと名乗る男と知り合う。ふとしたことからタイラーとジャックが殴り合いを始めると、そこには多くの見物人が。その後、タイラーは酒場の地下でファイト・クラブなる拳闘の秘密集会を仕切ることに。たくさんの男たちがスリルを求めて集まるようになるが、やがてそのクラブは恐るべきテロ集団へと変貌していく……。

キャスト

タイラー・ダーデン – ブラッド・ピット
ナレーター(主人公「僕」、タイラー・ダーデン) – エドワード・ノートン
マーラ・シンガー – ヘレナ・ボナム=カーター
ロバート・ポールセン(ボブ) – ミート・ローフ
エンジェル・フェイス – ジャレッド・レト
アーヴィン – ポール・ディロン
メカニック – ホルト・マッカラニー
リチャード・チェスラー – ザック・グルニエ
レイモンド・K・ヘッセル – ジョン・B・キム
リッキー – アイオン・ベイリー
スターン刑事 – ソム・ゴッサムJr.
ステフ – エバン・ミランド
クロエ – レイチェル・シンガー
トーマス – デイヴィド・アンドリュース
ジェイコブズ警察署長 – レナード・タルモ
空港の警備員 – ボブ・スティーブンソン
インターン(精神科医) – リッチモンド・アークウェッド
演説の男 –
女リーダー – クリスティーナ・キャボット
ウェイター – エドワード・コワルジク

「この世は生きるに値するか?」というメッセージの ゆえ、人々はこの映画に深く共感したのだと思う。

ファイトクラブについては口外してはいけないという規約が示され、これが繰り返されるわけだが(これは一種のよくできたプロモーションコピーではないか)、まあビデオ化されてからもうずいぶんたつのだからいいよね。

今回見て、とりあえず二度見るに値することがわかった。なにしろ最初に見たころはワールドトレードセンターの崩壊はまだ起こっておらず、ラストシーンの衝撃はまだ薄められていなかったように思う。ラストシーンといえば、この映画にはラストその他にサブリミナル映像がはさみこまれているということでも話題になった。

主人公であるエドワード・ノートンが演じる男には名前がない。クレジットでは「ナレーター」と称されていて、つまり画面/物語の外から語りかける声を演じている。饒舌なナレーターに導かれて信用できない映像が展開していくという形式は、同じ頃に公開された「アメリカン・サイコ」と同様であり、背景となっている舞台や時代性、ストーリーが向かう先も似ているから、人は容易に二本の映画を比べるだろう。

原作の小説を読んでいないのだが、うまく脚本化・映像化されているのではないかと感じられる。不自然なまでに軽やかでアップテンポなリズムは、「この世は生きるに値するか?」というメッセージ(このメッセージゆえ人々はこの映画に深く共感したのだと思う)の重さを際立たせる効果があるが(音楽を変えるだけで、ずっと陰惨な映画になるはずだ)、これは「アメリカン・サイコ」のサイコぶりっこや「時計仕掛けのオレンジ」のような大時代さと一線を画している。フィンチャーならではのセンスの良さで、そのたくらみは鋭い。

『ファイト・クラブ』を観るには?

『ファイト・クラブ』作品情報

監督 – デヴィッド・フィンチャー
脚本 – ジム・ウールス
原作 – チャック・パラニューク
製作 – アート・リンソン、セアン・チャフィン、ロス・グレイソン・ベル
製作総指揮 – アーノン・ミルチャン
ナレーター – エドワード・ノートン
音楽 – ザ・ダスト・ブラザーズ
主題歌 – ピクシーズ「Where is My Mind?」
撮影 – ジェフ・クローネンウェス
編集 – ジェームズ・ヘイグッド
製作会社 – リージェンシー・エンタープライズ
配給 – 20世紀フォックス
公開 – アメリカ: 1999年10月6日、日本: 1999年12月11日
上映時間 – 139分

『ファイト・クラブ』の原作

傷痕一つない体で死にたくない。殴り、殴られ、ぼくたちは生を実感する。痛いほど繊細な語りがほとばしる伝説的作品が、改訳新版でついに復活!
デヴィッド・フィンチャー監督×ブラッド・ピット&エドワード・ノートン主演の映画化以後、創作の原点をパラニューク自らが明かした衝撃の著者あとがきと、アメリカ文学研究者・都甲幸治氏の解説を新規収録。
おれを力いっぱい殴ってくれ、とタイラーは言った。事の始まりはぼくの慢性不眠症だ。ちっぽけな仕事と欲しくもない家具の収集に人生を奪われかけていたからだ。ぼくらはファイト・クラブで体を殴り合い、命の痛みを確かめる。タイラーは社会に倦んだ男たちを集め、全米に広がる組織はやがて巨大な騒乱計画へと驀進する――人が生きることの病いを高らかに哄笑し、アメリカ中を熱狂させた二十世紀最強のカルト・ロマンス。

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