バンテージ・ポイント

アイェレット・ゾラー(バンテージ・ポイント)
アイェレット・ゾラー(バンテージ・ポイント)
X Facebook B! はてブ
『バンテージ・ポイント』(原題: Vantage Point)は、2008年のアメリカのサスペンスアクション映画。監督はピート・トラヴィス、出演はデニス・クエイドとマシュー・フォックスなど。スペインでの国際会議で起こった米大統領狙撃事件の瞬間とその前後を、現場にいた立場や職種などが違う8人の同時刻の視点から描いている。

『バンテージ・ポイント』ってどんな映画?

一瞬の爆発がもたらす未曾有の混沌、そして12時00分からの23分間をめぐる「視点」の空中戦。スペイン・サラマンカの広場で起きたアメリカ大統領暗殺未遂事件を舞台に、現場に居合わせた8人の目撃者それぞれのタイムラインを何度も巻き戻し、パズルのピースを嵌めるように真相をあぶり出していく。
息をもつかせぬスピード感溢れるカットワークと先入観を裏切るサスペンス演出が炸裂した新感覚のノンストップアクション。

物語は、同じ23分間の出来事を異なる人物の視点からリプレイすることで、事件の裏に隠された全貌を浮かび上がらせていく。
中継車から現場の指揮を執るテレビ局のプロデューサー、偶然にもハンディカメラで決定的瞬間を撮影してしまったアメリカ人旅行者が目撃した異変が、事件の重要な手がかりとなっていく。地元警察のエンリケや、怪しげな動きを見せるテロリスト組織のメンバーたち。視点が変わるたびに「被害者」が「加害者」へ、「偶然」が「計画された必然」へと姿を変える。
デニス・クエイドが体現する執念のシークレット・サービスの凄み、フォレスト・ウィテカーが魅せる巻き込まれた凡人のリアルな勇気、そして1本の線へと収束していく怒涛のシナリオ構成が完璧に融合した、極限の緊張感が100分間ノンストップで駆け抜ける映画史に残る傑作アクションサスペンスだ。

あらすじ

歴史的な対テロ首脳会談に出席するため、市民と報道陣で埋め尽くされたマヨール広場に到着したアメリカ大統領アシュトンは、演壇に立った瞬間に凶弾に倒れる。さらに追い打ちをかけるように広場全体を巻き込む大爆発が発生し、現場は一瞬にして地獄絵図と化す。過去のトラウマを抱えながら復帰したシークレット・サービスのトーマス・バロは、大統領護衛の任務と犯人追跡のために狂乱の街へと飛び出していく。

キャスト

トーマス・バーンズ(シークレットサービス) - デニス・クエイド
ケント・テイラー(同) - マシュー・フォックス
ハワード・ルイス(旅行者) - フォレスト・ウィテカー
フィル・マカルー(大統領の側近) - ブルース・マッギル
ハビエル(元特殊部隊員) - エドガー・ラミレス
ベンワル・スワレス(テロ組織のリーダー) - サイード・タグマウイ
ベロニカ(エンリケの恋人) - アイェレット・ゾラー
アンジー・ジョーンズ(テレビリポーター) - ぞーい・サルダナ
レックス・ブルックス(テレビ局プロデューサー) - シガニー・ウィーバー
ヘンリー・アシュトン(大統領) - ウィリアム・ハート
エンリケ(地元警察) - エドゥアルド・ノリエガ

感想

大統領狙撃・会場爆破の時刻をゼロアワーとして、それまでの23分間を、捜査官や観光客、犯人など8人の視点で8回繰り返すという大胆な構成で話題を呼んだ映画である。“特定の出来事を多視点で反芻する映画”である「運命じゃない人」を観たので、同様の趣向で有名らしい本作を見てみたわけ。原題はfrom your vantage point(あなたの目から見れば)という成語から来ているらしい。『羅生門』スタイルと言われるらしいが、視点の交錯によって真実が闇に包まれていくというわけではないので、厳密には違うと思う。

事件が起こって、さあどうするというところで巻き戻って、次の23分が頭から始まる構成なので、観客としては、クライマックスが連続しているかのような錯覚に陥るのだが、ドラマ『24』との類似を指摘する声が多いようだ。
当然、もう巻き戻らない最後の視点が真のクライマックスになるわけで、最後の数秒でそれまでの伏線が全部回収されてスッキリするという案配である。

3人目の視点が大統領本人で、ここでようやく狙撃されたのが影武者だったことがわかる(「ワシ」という符牒の男は影武者で、本当の大統領は「POTUS(President Of The United States)」なのだ)。

“特定の出来事を多視点で反芻する映画”としては、「スネーク・アイズ」の疑似的長回しによる冒頭シークエンスも同様の趣向だっと言える。

『バンテージ・ポイント』を観るには?

『バンテージ・ポイント』作品情報

監督 – ぴーと・トラヴィス
脚本 – バリー・レヴィ
製作 – ニール・H・モリッツ
製作総指揮 – カラム・グリーン、タニア・リンドー、リンウッド・スピンクス
音楽 – アトリ・オーヴァーソン
撮影 – アミール・モクリ
編集 – スチュアート・ベアード
製作会社 – レラティビティ・メディア、オリジナル・フィルム
配給 – アメリカ: コロンビア ピクチャーズ/S.P.E、日本: SPE
公開 – アメリカ: 2008年2月22日、日本: 2008年3月8日
上映時間 – 90分

ご感想、ご意見をお待ちしています