中央流沙

筒井真理子(中央流沙)
筒井真理子(中央流沙)
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『中央流沙』は、「松本清張スペシャル・中央流沙」のタイトルで1998年8月4日、日本テレビ系列の「火曜サスペンス劇場」枠にて放映。松本清張没後10年特別企画作品。

『中央流沙』ってどんなドラマ?

エリート官僚の謎の死——。
国家の陰謀か、それも汚職隠蔽の犠牲者か。
ひとりのベテラン事務官が国家権力の巨悪に挑む!

松本清張の傑作社会派ミステリー小説を、名優・緒形拳の主演で映像化したテレビ朝日系の本格サスペンスドラマ。
通商産業省の汚職疑惑と課長補佐の死を皮切りに、巨大な官僚組織の闇と裏社会の繋がりが暴かれていく重厚なミステリー。

キャスト

山田喜一郎(通産省情報産業局事務官) - 緒形拳
岡村福夫(同局長) - 石橋凌
西秀太郎(元総会屋) - 石橋蓮司
倉橋秋彦(同課長補佐) - 鶴田忍
藤村(同事務官) - 新克利
黒川巌(同部長) - 中丸新将
戸叶久英(同事務次官) - 江原真二郎
◼︎警察
酒井(城西仙台署 刑事) - 丸岡奨詞
矢吹(警視庁) - 石田太郎
警視庁刑事 - 南條豊
◼︎東京地検
牧野俊介(検事) - 本田博太郎
児島剛(主任検事) - 小林勝也
特捜部 - 本城丸裕
◼︎その他
倉橋祥子(倉橋秋彦の妻) - 藤真利子
秋彦の息子 - 奈良本浩樹
堀田喜美子(西の愛人) - 筒井真理子
布施(監察医) - 越村公一
美容師 - 浅倉いづみ
作並温泉旅館の中居 - 船木倶子
火葬場の男 - 田口主将
杉野 - 二瓶鮫一
こけし屋の女 - 服部妙子
倉橋一彦 - 金子研三
倉橋めぐみ - 後藤はるか
平沼 - 粟津號
高橋賢二
大原真理子

感想

清張の原作はおなじみ農水省を舞台にしているが、この1998年版では2001年の省庁再編前の通産省を舞台に、IT関連の補助金審査不正における汚職がモチーフとなっている。

局長室に出入りする怪しい元総会屋を石橋蓮司が演じており、その愛人のクラブのママが筒井真理子で、ちょっと期待するが大して活躍しない。殺される鶴田の地味な妻だった藤真利子が、後半で保険の外交員に変身して、ハキハキ台詞のイキイキ描写が唐突で目を引くのだが、これは最初の映像化である1975年のNHK和田勉版(未見)の描写を念頭に置いているのだろう。和田勉版では、この妻を中村珠緒が演じていて、元総会屋の援助によって悪女として成り上がっていくのが見どころになっているらしい。

藤真利子(中央流沙)

藤真利子

本作の監督は三村晴彦なのだが、大道具をすべてグレーで統一して「流沙」を表現したという和田勉版に比べると、あまりパッとしない。ただ、ノンキャリの冴えない事務官を演じる緒形拳の小心な小役人ぶりはなかなか良かった。妻に先立たれ、娘は夫とアメリカに移住している一軒家で一人住まいをしている緒方は、毎晩アロハを着てハワイ旅行を夢見ながら、なぜかトマトに塩をかけて酒を飲むのを楽しみに生きている男である。

緒形拳(中央流沙)

緒形拳

悪玉局長の石橋凌は、何かというと「同じことを二度言わせるな!」と机を叩いていばり散らす男だが、緒方はクライマックスで石橋に辞表を書けと迫り、同じことを二度言わせるなとやり返して見せる。

しかしその後、鶴田忍の死ぬ直前の独白録音や、貸金庫で発見した汚職メモなどを新聞社に持ち込んだにもかかわらず、東京地検特捜部はそれらを決定的な証拠にできず、石橋凌は事務次官から政治家に転身、緒方は地方外局への左遷を断って自分が辞表を書く、というビターな結末を迎える(石橋蓮司が結局どうなったかなどの説明がなく、全体に説明不足である)。
清張にしては珍しい、司直の手が犯人に届かないパターンである。

『中央流沙』作品情報

監督 – 三村晴彦
脚本 – 佐伯俊道
選曲 – 合田豊
技術協力 – 神奈川メディアセンター
プロデュース – 伊藤祥二佐々木淳一
制作 – 日本テレビ、松竹、「霧」企画

『中央流沙』の原作

農林省食糧管理局長・岡村福夫は、出張先から突然、本省に呼び戻された。砂糖輸入自由化を目前にしての、原糖割当てにからむ汚職事件が、突発したらしい。業者にとっては、文字通り甘い汁の宝庫に渦まく、疑獄。とそこへ、課長補佐・倉橋の変死の知らせが……。官庁汚職の実態を、下級官僚の屈折した感情と絡めて描く、渾身の力作ミステリー。官庁汚職の謎と悲惨な実態。巨悪の陰で虫けらのごとく抹殺される下級官僚の悲劇!

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