2011年のドラマドラマ2010年代のドラマ

高校生レストラン

3.0
川島海荷(高校生レストラン) 2011年のドラマ
川島海荷(高校生レストラン)
『高校生レストラン』は、2011年5月7日~7月2日の毎週土曜21:00-21:54に日本テレビ系「土曜ドラマ」枠で放送。

『高校生レストラン』ってどんなドラマ?

三重県に実在する、高校生が運営するレストラン「まごの店」をモデルにしたドラマ。松岡昌宏演じる料理人・新吾が、戸惑いながらも生徒たちと共に成長し、「料理」を通じて「生きること」を伝えていく。
調理クラブの部員名簿を改めて見ると、神木隆之介、野村周平、能年玲奈(現:のん)、三吉彩花、超特急の草川拓弥など、現在のエンタメ界を牽引するスターたちが一堂に会しているお宝キャスティング。
脚本には根本ノンジらが名を連ね、原田芳雄の重厚な特別出演もあり、単なる青春ドラマに留まらない深みのある一作。

あらすじ

一流料亭の元板前・新吾が、三重県の高校に臨時教師として赴任し、調理クラブの生徒たちとレストラン「まごの店」を運営することに。当初、新吾は掃除も満足にできない生徒たちの甘さを厳しく指導し、反発を招く。しかし、陽介や真衣ら残った生徒たちは、プロの技術と心構えを学びながら成長し、レストランをオープンさせる。食中毒騒動や運営上のトラブルに直面しつつも、新吾の信念に触れた生徒たちは、次第に料理人としての自覚を深めていく。卒業を前にそれぞれの進路と向き合う彼らを見守り、新吾もまた教育者として歩みを進めていく。

ファーストインプレッション

銀座の一流料亭の板前・村木新吾は、幼なじみの町役場職員に頼まれて三重県立相河高校の臨時教師に。町おこしの一環である「高校生レストラン」のオープンにあたり調理指導を頼まれたのだ。調理クラブの部員は30人ほどいたが、床は汚れ、食材は無駄に使われ、まるで文化祭ノリ。新吾が「まずは掃除だ」と叱りつけると生徒たちは次々に出て行き、残ったのは約半数の18人。しかし実家が定食屋の陽介は「あの先生は本物の匂いがする」と新吾についていくことを決める。オープンに向けて新吾が決めたメニューは地元名産の伊勢芋を使った「とろろうどん」。陽介は新吾の指示通りにダシを作る係に命じられるが、当日、新吾と部員たちの間に決定的な亀裂が入る出来事が起きる……。

板前姿の松岡というと、やっぱり「美味しんぼ」を思い出してしまう。しかも父親役の原田芳雄も海原雄山の人だから(唐沢寿明版)、そうした意図を感じずにいないほうが難しい。高校生たちと大人たちにキレる演技に爽快感があるのはそのためだ。

しかしドラマは、単なる料理人ではなく、高校教師としての松岡昌宏を描こうとしており、教育的指導にこだわる板谷由夏との対立をどう乗り越えるかに軸を置くことを初回で示したから、ドラマをなんでも料理に還元してしまう「美味しんぼ」よりは面白くなることだろう。

全体に、伊勢弁には違和感を訴える声多数のようだ。NHK連ドラのように腰をすえてやるならまだしも、民放のワンクールドラマには少し荷が重いのではないか。

神木隆之介は「SPEC」以来だが、川島海荷とは「ブラッディ・マンデイ」仲間。ふたりとも可愛いな。

第2話

オープンまであと2週間。基本を繰り返す新吾にまた2人がクラブを去る。そんな中、町役場の戸倉が「高校生御膳」200食を出すよう新吾に強要。最低でも30人は必要と考えた新吾と岸野は文香に頼むが断られる。部員たちも話し合って御膳の試作を始めるが、新吾が働いていた料亭のオーナー風間が「戻ってこい」と新吾に呼びかけた──。

美味しんぼでないので、金田達夫考案、松岡昌宏改良案ともに、料理の中身はちらっと映るだけで、よくわからない。
東京から来た高橋克実も一瞥したのみで、ほとんど手をつけなかったから、どこがどうダメなのかもわからなかった。まあお話にならないということなのだろうけれども。

松岡改良案は、現実の高校生レストラン「まごの手」で出されている「花御前」(1200円)というのと同じなのだろう。

「花御前」


先週作った、伊勢芋のとろろがのった手延べ麺もあるらしい。

まごの手のスタッフは、三重県立相可高校食物調理科の生徒だそうで、ドラマの三重県立相河高校調理クラブ部員とほぼ一緒である。
松岡が演じている村木新吾は銀座料亭の板前だが、モデルで1字ちがいの村林新吾という人物は、辻調理師専門学校で10年教職を勤めた人だそうだ。
伊藤英明に当たる人も実在する人らしく、そう聞くと、町役場の横暴な金田達夫や、日教組的にかたくなな板谷由夏なども、実在したら困るのではないかと思う。
とくに金田達夫は架空だとしても、地方の役人の横暴さがリアルである。

松岡とちがって、本物の村林は教鞭をとっていた人だから、松岡が調理教師という未知の立場に悩む姿はドラマのオリジナルである。もっとも、悩んでいるだけで、教師らしい行動をやはり頑なにとらない松岡なのであるが。

あなごが難しそうなのはわかったが、高校生御前のどのへんが2週間じゃ無理なのか、18人ではとても200食を作れないのが一目瞭然ということじゃないと、ストーリーラインとしては成立しないのだが、そのへんをきちんと説明しないから、松岡の改良案の意味もわからない。もう少し料理の中身に踏み込まないと、ひどく表層的なドラマになってしまいそうだ。

第3話

オープン1週間前、レストランが新聞やテレビに取り上げられ、新吾は取材に浮かれる生徒たちに檄を飛ばして指導を続ける。陽介も緊張感のない仲間たちに苛立ちを感じる。オープン前日、新吾は生徒たちの持ち場を発表され、厨房スタッフにおそろいのスカーフ、ホール担当にはベストが配られる。部員29人で1日二百食のノルマは、果たしてうまくいくのか……。帰り道、真衣は陽介の緊張に気づく。オープン当日、大挙した客を見て緊張を高める生徒たち。滑り出しは順調だったがが、盛況の店内で少しずつほころびが出始め、混乱が――。

料理の内容にも味にもこだわらないドラマとして展開してきたこのドラマだが、かと言って、松岡昌宏の教師ぶりにフォーカスするというのでもなく、どっちつかずの展開が続いている。
そもそも、高校生レストランの開店をクライマックスではなく、この序盤にもってきた計算が、どこに向かっているのかよくわからない。

物語のとりあえずのハードルである「200食」というものが、どれほどのものかを想像できる視聴者は、限られていると思う。
ましてや2週間も練習や仕込みの時間があったのだ。

たとえば、ウミニーが尊敬する神木隆之介は、祖母の店を実際に切り盛りしていることから、セミプロと言える。
しかしどんなに腕の良い素人であっても、仕事のクオリティが90点だったり20点だったりと安定しないのに対し、プロと呼ばれる人は、つねに80点をキープすると言われる。200食というハードルを、そのような観点に基づいて表現する方法もあったのではないか。

また、今回、序盤では、テレビの取材が入ったり伊予新聞に掲載されたりして、松岡がプレッシャーで子供たちを押しつぶしたのは、それを抑えるためだったはずだが、取材に浮かれる子供たちの描写がまったくなかったので、まるで説得力がなかった。

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