2000年代の映画2004年の映画映画

さよならみどりちゃん

星野真里(さよならみどりちゃん) 2000年代の映画
星野真里(さよならみどりちゃん)
『さよならみどりちゃん』は、2004年製作・2005年8月27日公開。BS-iで放送されていた1話から3話完結のオムニバス恋愛ドラマシリーズ『恋する日曜日』の映画版。第27回ナント三大陸映画祭主演女優賞と銀の気球賞(準グランプリ)受賞。

『さよならみどりちゃん』ってどんな映画?

あのヒリヒリして、どこか気だるい空気感が漂う南Q太の『さよならみどりちゃん』の独特の体温、古厩智之監督はそれをどう映像に落とし込んだのか。
昼はOL、夜はスナックで働くゆうこ(星野真里)が出会ったのは、どこか執着心の薄い男・ユタカ(西島秀俊)。彼女がいると知りながらもユタカと体を重ね、ズルズルと関係を続けてしまうゆうこの姿は、一見すると「都合のいい女」そのものだが、本作はそれを単なる悲恋や依存としては片付けない。
古厩監督は狭いアパートの部屋、深夜のコインランドリー、気まずい沈黙といった都会の片隅のありふれた風景の中に、20代の若者が抱える「誰かと繋がっていないと死んでしまいそうな寂しさ」をじっとりとしたリアルさで焼き付けている。
見どころはブレイク前の西島秀俊の圧倒的な「掴めなさ」。優しくて、でも決定的な一線は絶対に越えさせてくれない冷たさを持つユタカという男を、天性の佇まいで体現している。それに振り回され、傷つき、泥泥になりながらも、自分の足で立つために何かを振り切ろうとする星野真里の剥き出しの芝居が、観る者の胸に痛烈に刺さる。
劇中、佐藤二朗ら常連トリオがたむろするスナック『有楽』の、ちょっと世間からズレた温かさだけが唯一の救いだ。
恋愛の綺麗な部分ではなく、みっともなくて、寂しくて、それでも愛おしい「あの頃の生々しい感情」がそのままスクリーンに残されている。大人になって忘れてしまった、あるいは蓋をしてきた心の傷口を、もう一度そっと指でなぞるような一作だ。

あらすじ

ダイニングバーでアルバイトしていたOLのゆうこ(星野真里)は、想いを寄せていた店長ユタカ(西島秀俊)と体の関係を結ぶが、初めてセックスした日、ユタカから「みどりちゃん」という彼女がいることを告げられる。「みどり」はダイビングの資格を取るために沖縄に行っているという。ゆうこは嫌われたくないからと、変わらず友人としてユタカと顔を合わせ、彼の紹介でカラオケスナック『有楽』のバイトをすることに。しかし初日からママ(佐々木すみ江)に厳しく叱責されたゆうこは、その夜ユタカと再び体の関係を持ってしまう。
ダイニングバーの新しいバイト・真希(岩佐真悠子)もユタカに好意を持っており、ゆうこにライバル宣言をする。一方で男性店員、太郎(松尾敏伸)から愛の告白を受けたゆうこは、そこに現れたユタカに遮られ、相変わらずユタカとの肉体関係を続ける。
やがてユタカは真希とも関係を持った。真希にクラブに呼び出されたゆうこはそれを聞かされて動揺する。そこに真希の高校時代のバンド仲間だった青年、加藤(藤沢大悟)も話しかけられたゆうこは、加藤にクラブの個室に誘われてフェラチオしてしまう。

キャスト

ゆうこ(OLだがスナックでバイトしている) – 星野真里
ユタカ – 西島秀俊
■ユタカのバイト仲間
太郎(調理担当) – 松尾敏伸
真希 – 岩佐真悠子
■カラオケスナック『有楽』
ママ – 佐々木すみ江
ミドリ(従業員) – 小山田サユリ
スナックの常連トリオ – 佐藤二朗諏訪太朗おかやまはじめ
ゆうこに言い寄る客 – 千葉哲也
リーゼントの客 – にわつとむ
■その他
りか(ユタカの元恋人) – 中村愛美
加藤(チャラいイケメン) – 藤沢大悟

音程の合わない歌を無理に歌うこと。感動のポイントはそこだろう。

筆者は金八先生とやらを見ていないので、脱いだことでみんなが椅子からひっくり返ったらしい星野真里には思い入れがない。

“問題”のヌードシーン(ファンの方には申し訳ないが、正直、見映えのしないものだと思う)は後半に突如あらわれるのだが、そういった配分におそらくショックを与える意図があったことは想像にかたくない。

いやそんなことより、タクシーを走って追いかけはじめたときはサンダル穿きだったのに、途中でスニーカーに変わり、夜明けにアパートに帰ってきたときにはまたサンダルに戻っているというのは、どーよ。うーん。

どこかで読んだのだが、古厩智之は「IQの低い男女の恋愛をイメージした」と語っているそうな。なに、ロマンポルノによくあったような話である。

ユーミンの声は実は低い。星野真里は「14番目の月」をそのまま歌っていて、出ない声を全身で出しているのだが、これは「音痴だから」ということなのか、いずれにしても感動的なポイントはそこであろう。たしかになんらかのオーラはあるのである。

どことも知れぬ町の感じは、いい。

『さよならみどりちゃん』を観るには?

『さよならみどりちゃん』作品情報

監督 – 古厩智之
脚本 – 渡辺千穂
原作 – 南Q太
製作 – 丹羽多聞アンドリウ
製作総指揮 – 高西伸兒、藤賀幹生、鈴木径男、吉田博昭、千葉広二、飴井保雄
音楽 – 遠藤浩二
主題歌 – 奥村愛子「14番目の月」(作詞・作曲:荒井由実)
撮影 – 池内義浩
編集 – 大重裕二
製作会社 – BS-i、藤賀事務所、ハピネットピクチャーズ、ティー・ワイ・オー、祭、TBSサービス
配給 – スローラーナー
公開 – 2005年8月27日
上映時間 – 90分

『さよならみどりちゃん』の原作(南Q太)

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「あたしのこと、もっと好きになってよ!」主人公・夕張ゆうこはまじめなOL。好きな男ユタカにすすめられてホステスのバイトを始めるが、ずるずるとひきずられた生活をしていく…。リアルで切ない恋を描かせたら天下一品!。著者初めての長編!

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