『生まれる。』ってどんなドラマ?
51歳の母親の高齢妊娠という衝撃的な事実をきっかけに、それまでバラバラだった家族が「命」に向き合い、絆を再生させていくヒューマンドラマ。鈴木おさむ(脚本)らしいリアリティとメッセージ性の強い展開。
主演の堀北真希はもちろん、長男役の大倉忠義、当時ジャニーズJr.だった中島健人、さらに浩二の友人役に福士蒼汰、愛美の同僚役に鈴木亮平、暴力団員役にムロツヨシと、のちに日本のエンタメ界を背負って立つ面々が揃っている。
なお、林田愛子役を演じる田中美佐子は、実際に43歳での高年齢出産を経験している。
あらすじ
4人きょうだいの長女、林田愛美が暮らす林田家は、独立して近所で独り暮らしをしている長弟・太一を含め、まさに「絵に描いたような家庭」そのもの。ある日、パン屋を営む父・新平が突然病死そ。直後に母・愛子が51才にして新平との子どもを身籠っていることが判明する。愛子は産む決心をするが、愛美を含め次弟・浩二以外は猛反対。
追い討ちをかけるように、太一は実の父親と名乗る中野が現れ、自分が林田家の実子ではないことが判明し、出自に苦悩する。末妹・美子は愛子が高齢妊婦だということがクラスメートにばれていじめがエスカレートして不登校、引きこもりに。浩二も白血病が再発するなど、弟たちもそれぞれ様々な困難に直面する。
愛美は高年齢出産をテーマにした本を出版するためにチーフになって「産む側」の立場、愛子の気持ちが理解できるようになり、出産を応援するようになる。太一と美子は母や姉の力を借りて葛藤を克服し、浩二は赤ちゃんのへその緒から出る臍帯血から病気が治る可能性が出たり、高年齢出産をきっかけに林田家は以前よりかたい絆でひとつになっていく。
キャスト
林田 愛美(雑誌編集プロダクションのアシスタント) – 堀北真希
林田 太一(デザイン会社のデザイナー) – 大倉忠義(関ジャニ∞)
林田 浩二(大学生) – 中島健人)(当時ジャニーズjr、B.I.Shadow・現Sexy Zone)
林田 美子(高校3年生) – 竹富聖花
林田 愛子(姉弟の母、新平の妻)〈51〉 – 田中美佐子
林田 新平(姉弟の父、愛子の夫) – 三宅裕司(特別出演)
■PANNTEN(パン屋)
●従業員
森脇 哲多 – 大竹浩一
●お客
西嶋 丸子(常連客) – 宮武祭
西嶋 萌生(丸子の弟) – 高井萌生
西嶋 沙紀(丸子・萌生の母親) – 西田ひかる
■林田家の友人関係
内田 留美(愛子の友人) – 西村知美
内田 喜一(留美の夫) – 大地洋輔(ダイノジ)
山中 裕也(浩二の友人) – 福士蒼汰
■近藤マタニティクリニック
近藤 卓巳(産婦人科医) – 大杉漣
三田 信子(助産師) – 伽代子
受付 – 早川亜希
■ダブルエース(雑誌編集プロダクション)
大川 洋一(愛美の同僚で元カレ) – 鈴木亮平
国木 美和(愛美の上司) – 戸田恵子
長澤 剛(社長) – 金田明夫
■愛美の取材先
川上 千恵(ランジェリー会社社長) – 若村麻由美
川上 生太(千恵の息子) – 野田智聖
千恵の秘書 – 深谷由梨香
八坂 朋子(会社員) – 生稲晃子
鶴野 理子(専業主婦) – 伊藤つかさ
北条 仁美(同) – 浅香唯
鳥井 春奈(児童養護施設職員) – 原日出子
芦沢 千穂(インテリアショップ経営者) – 友近
千穂の夫 – 大木イチロー
■名峰総合病院
玉木(浩二の主治医) – 児嶋一哉(アンジャッシュ)
看護師 – もたい陽子
■水川家
水川 真帆(デザイナーズプラスの社員) – 酒井若菜
水川 陽菜(真帆の娘) – 高橋優月
■暴力団
中野 瑛太(太一の実父) – 斎藤歩
寺田 一朗(寺田組組長) – きたろう
沢田(寺田組組員) – ムロツヨシ
■美子の学校関係者
小山 有紀(美子の友人) – 篠原愛実
有紀の母親 – 中村容子
教師 – 石川裕司
瑞穂(同級生) – 落丸紗矢
■その他
小池 晴馬(デザイナーズプラスの社員) – 淵上泰史
感想
ファーストインプレッション
第2話: 愛子は中絶手術の直前に病院を飛び出し、愛美には手術は受けたと嘘を告げ、近藤マタニティ・クリニックの診察を受けることに。このクリニックは愛美が取り組む高齢出産本の取材先でもあった。一方、中野から告げられた事実に悩んでいた太一は、一枚のエコー写真を実家で発見。水川真帆はその写真を妊娠検査のものだと教える。そのころ、クリニックの近藤卓巳は愛子にかけた「おめでとう」という言葉にある決意をする。
なぜか初回の録画に失敗。第2回からの視聴なので、三宅裕司が生きているところが見られなかった。
実はこの直前に、堀北真希のドラマ主演デビュー作というのを「女優登竜門」という番組で見た。「恋する日曜日」の「電車」という一編がそれで、共演は石田えりと武田航平である(Wikipediaを見ると、デビュー作は「ケータイ刑事 銭形舞」と書いてあるが)。短い単発だが、なかなか面白く、堀北は40代の母親が体に乗り移った女子高生という変な役をうまい具合に演じていた(乗り移った母親が石田えりであるからこそ成功した演技であったと思う)。
堀北のドラマは「野ブタ。をプロデュース」と「特上カバチ!!」しか見てないのだが(笑)、なぜか人を自然に見下すかのような美少女ぶりには、前から魅力を感じてきた。
で、本作であるが、子沢山家庭できょうだいの面倒見もいい長女が、母親の妊娠を絶対に許さないと宣言する2話目を観て、この堀北のキャラクターと相まって、これは期待できそうだと感じさせた。今季ドラマは意外と不作だということがそろそろわかってきたのだが、よかったよかった。
4人きょうだいはそれぞれ秘密を抱えている。
長男の大倉忠義はデザイナーだが、好意を抱いている女子である酒井若菜は、どうも先輩デザイナー淵上泰史のスパイなのではないか。淵上は大倉がデザインしたロゴを盗もうとしていたが、悩みを抱えていてそれどころでなかった大倉を無理に昼食に誘ったのは酒井だった。
大倉の悩みとは、自分だけが家族の中で血がつながっていないと、実の父親を名乗る斎藤歩に教えられ、またなぜか斎藤に金をせびられていることである。
斎藤はバクチか何かで一日5万円をスッてしまうような生活をしており、大倉も金で売ったと言っており、一家の要である堀北がどうこのトラブルをおさめるかが注目される。
次男の中島健人は、「アスコーマーチ」では高校1年生のくせに、こちらでは大学生で、酒も飲み放題だし、コンパでも女の子を持ち帰り放題である。
中島は幼時に白血病になったとコンパの席で話しており、どうやらそれは本当らしい。奇跡的に母親と骨髄が適合したことにより命をとりとめたとのことだが、これが田中美佐子の妊娠とどう関係してくるのか、展開が期待される。
次女の竹富聖花は第2話ではあまり姿を現さなかったが、どうやらいじめに遭っているらしい。
さて田中美佐子は51歳という設定で、高齢出産というモチーフは「マドンナ・ヴェルデ」とかぶっている。松坂慶子は実際には58歳だが55歳という設定だったが、田中の場合は本当に51歳で、くらべてみると、やはり松坂慶子の出産のほうがかなり難度が高そうである。・
初回を見そこねたので、私にとって、田中が妊娠した原因は謎である。三宅裕司は本当は60歳だが、ここでは享年55歳ということになっている。まあ男性は何歳になっても女性を妊娠させる能力があるのだろうが、50代になっても定期的な性交渉があったということなのだろうか。
一番下でも高校生、一番上は25歳と4人も子供をつくりながら、田中美佐子を孕ませるとは、三宅は相当に助平な父親だと思われてもしかたがない。堀北真希が出産に断固反対する理由もそこにあるのだろう。
第3話~エピソードが散発的
第2回でのネタをそのまま引っ張っていて、早くも息切れ…評判もイマイチなドラマのようであるが、前回面白いと思った最大の理由は、堀北真希が田中美佐子の出産に断固反対しているからだった。
そこが変わってしまうと、急に面白くなくなることは目に見えているので、堀北真希は「わからなくなってしまった…」などと迷わずに、あらゆる状況を利用して、最後まで出産反対を貫き通してほしい。
今回のゲストは美魔女・若村麻由美で、「女性に人気の下着メーカー会社の女社長」とのこと。「女性に」は不要か。スキャンティを発明した鴨居羊子のイメージということか。
若村はアメリカで500万かけて卵子提供を受けて妊娠したらしい。筋肉注射を日常的に自分で打たねばならないほど過酷なものらしいが、そこまでして出産をするモチベーションについて訊ねられた若村は、自分が達成できないことがあるのに我慢がならないからだと答える。
したがって出産後は赤ん坊はベビーシッターに預け、速やかに仕事に復帰するつもりでいる若村を、堀北は「それはあなたのエゴだ」と糾弾する。
堀北の元彼である鈴木亮平は「DNAがつながっていない子供を愛せるのか」と言うのだが、そういう台詞を差し挟むのなら、自らが貰い子であったという事実に打ちのめされている大倉忠義のエピソードと絡めるべきであった。
そこには深く突っ込まないというドラマの段取りが感じられて気持ち悪い。
これにかぎらず、弟妹たちにそれぞれ訪れている事件は散発的で、有機的な絡みをあえて外しているようなのでつまらない。
大倉は酒井若菜の手引きで先輩デザイナーに「花博」のロゴデザインを盗まれたが、このドラマにそのエピソードが必要な理由がわからない。
中島健人は合コン中に鼻血を出していたが、白血病が再発したことは、田中美佐子の出産にどう影響してくるのか。
竹富聖花に嫌がらせメールを送ってくるのは誰なのか。
肝心の田中の出産にしても、大杉漣の産科医の存在感はなんとなくぼんやりしていて、「犬を飼うということ」の獣医・杉本哲太ぐらいの存在感しかない。
第4話~羊水検査3人衆
現れたる羊水検査三人衆、これがなんと生稲晃子、伊藤つかさ、浅香唯というスサマジサである。
80年代アイドルは高齢出産のお年頃なのだった。
最初は静かな場を、だんだんキツイ空気に緊張させていく手練はさすが。動揺しない堀北真希もタジタジである。
羊水検査はビミョーな問題で、答えなどないのだが、もうひとつの(このドラマ以上の)超高齢出産ドラマ「マドンナ・ヴェルデ」では、その問題は扱われなかった。NHK好みの問題なのに、片手落ちと言える。
もっとも、ドラマとしてそれで面白くなるというほどのものではない。この流れでダウン症の子供がストーリーに現れるそうだが、どのみち底の浅いものになってしまいそうな気がする。
長男・大倉忠義は事務所の酒井若菜にラブホテルに連れ込まれたが、酒井は淵上泰史によって妊娠させられており、おろせと言われた淋しさから大倉を誘っただけだった。
渕上は、酒井に大倉を食事に誘わせて、その隙に「花博2011」のロゴデザインをパクるというせこいデザイナーである。
盗まれたデザインは実にたいしたことないもので、にもかかわらず1案しか用意しておらず、往生してしまった大倉も、デザイナーとしては三流である。
大倉は相変わらず斎藤歩から金をせびられていて、もう4話だというのに進展があまりにも遅いのだが、次週はヤクザの借金を背負わされることになりそうだ。
次男の中島健人は鼻血を出して身体の変化に気づいた。再び骨髄移植をすることになるのだろうか。妊婦からはさすがに骨髄をとれないだろうから、誰が適合する骨髄を提供するのだろうか。
次女の竹富聖花は田中美佐子の妊娠がクラスでバレてしまい、黒板にキモイなどと書かれていた。
不妊治療に350万も遣ったという西村知美は、田中美佐子の家で高齢出産の本を見つけてしまった。母子手帳を発見するのかと思ったが、ただの大杉漣の本だったので、これはどうとでも言い逃れることができるだろう。それにしても進行の遅いドラマである。
このドラマの見どころは、田中美佐子の癒し系ぶりである。
堀北真希の大食漢ぶりも楽しみにしていたのだが、その設定はどうやら黒歴史になりつつあるようだ。
第5話~つまりは、退屈なドラマ
どうも不快なトゲがいくつもささっているドラマである。
進展はほとんどなくて、刺そのものも、オリジナリティに欠けているのだが、役者は不快を際立たせる演技に忠実なので、どうにもキモチ悪いのだ。
上からいくと、大倉忠義はふたつトラブルを抱えている。
ひとつは、これまでも金をせびってきた斎藤歩が借金取りまで連れてきたという件。こんな男はいつでも切り捨てて警察に訴えればいいと思うのだが、大倉はそうしない。
もうひとつは、酒井若菜を妊娠させた上に、おろすのを拒んだというので暴力をふるった先輩デザイナー淵上泰史を殴ってしまった件。
パトカーのサイレンが鳴っていたので、大倉は傷害罪でタイーホされ、事務所もクビになるのだろう。
次女の竹富聖花は51歳の母親が妊娠したというのでいじめられている。
そんなことでいじめられるだろうかとも思うが、竹富は西村知美にばらしてしまい、不妊治療に300万も遣った西村は、今まで私のことを腹の中で笑っていたのねと激昂して出て行く。
それを見送りながら、お母さんの妊娠でみんなが不幸になっているのよと憎々しげに言う竹富。
これを解消するためには、産まないことにするだけでいいんだから、と言うのだが、竹富のいじめは田中美佐子が出産しようとしまいと変わらないはずだし、竹富聖花を産まなければそんなこと言われずにすんだのにと同情してしまう。
中島健人は唯一の賛成派だが、次週でまた出血予定。
そして長女の堀北真希は、ダウン症を特別視しないことは綺麗ごとだとばっさり言ってのける。
高井萌生君の演技はすばらしく、堀北もまたホロリと涙を流すのだが、中島健人に「お母さんの妊娠を応援しようよ」と言われると、それとこれとは話が別と言わんばかりに急に態度を硬化させる。
ま、どれもこれも、簡単に解決してしまってはドラマにならないわけだが、だからといって解決を引き延ばしているのも退屈な話だよなあ、と思えてならないのだ。
第6話~こっちも骨髄移植
あいかわらず進展がゆるい。
堀北真希はようやく出産に賛成することになり、アンビバレンツが解消された。
大倉忠義は傷害罪でタイーホされたが、100万円の示談金と引き替えに釈放された。
養子になった経緯が田中によって説明された。
田中の親友が、子供は要らないと逃げた男を追って置いていったのが大倉だった。その男が斉藤歩ということなのだが、田中の親友というのがその後どうなったのかは説明されなかったから、これはのちのち現れるのだろう。
特別養子縁組とは、貧困や捨て子など、実親による養育が困難な場合に、養親が実の親として養子を養育するための制度として1987年に新設されたという。田中美佐子は、経験者として、これを西村知美に勧めたいらしいが、自分の子供がほしい西村は、それを受け入れることはできるだろうか。
大倉は斉藤歩に「こちらに来い」と言われて、家も家族も棄てる気でいるらしいが、「お前なら金を稼ぐのは簡単だ」という斉藤は、一体、大倉に何をさせようというのだろうか。
中島健人はふたたび急性骨髄性白血病が再発したが、今度は田中美佐子が妊娠中だから、骨髄移植は望めない。
「グッドライフ」の反町隆史と同じように骨髄バンクに頼るしかない。
竹富聖花はしつこい友達の嫌がらせに落ち込む一方である。
このドラマの堀北は可愛くなくて、それがヨクナイと思う。
第7話~エピソードは空中分解へ
斉藤歩が大倉忠義に紹介した仕事は、水道水入りペットボトルを1本1万円で年寄りに売る古典的な仕事だった。こんな仕事をさせるためにしつこく嫌がらせをしていた理由は不明である。
お前なら稼げる、と言っていたので、このボトルのラベルデザインでもやらせるのかと思ったが、大倉忠義はただ年寄りに電話をかけるだけで、それもうまくできないので、チンピラに頭をはたかれていた。
さらに、淵上泰史とよりを戻すために子供をおろそうと思う、と酒井若菜に相談され、自分が父親になるからと言うのかと思って見ていたが、ただ励ますだけで何もしないのであった。
大倉の存在は、昼ドラ並みに視聴者の気分を左右するだけで、もはやドラマの本筋から離れており、まったく必要なものとは言えない。
白血病の中島健人は、海外での撮影のバイトに行くと田中美佐子に嘘をついて入院した。
抗癌剤の治療が始まり、「グッドライフ」のわっ君と同じ帽子をかぶって(「犬を飼うということ」の大森暁美とも同じである)、わっ君と同じドナー待ちの状態に入った。
次回では、田中美佐子が我が身の安全を顧みずに骨髄移植を医師に迫るようである。
堀北真希が田中美佐子の出産に反対するのをやめて以来、ドラマは背骨を失い、急速につまらなくなっていく一方である。
ここまで見たので、最後まで視聴は続けるかもしれないが、レビューを書くのは今回で最後にしようと思う。

![\生まれる。[DVD-BOX]はコチラ/](https://dramatic-impress.net/wp-content/uploads/71VmP-Pu4aL._AC_SL1500_-1024x743.jpg)


コメント