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キャスト・アウェイ

ヘレン・ハント(キャスト・アウェイ) 映画
ヘレン・ハント(キャスト・アウェイ)
キャスト・アウェイは、2000年のアメリカ合衆国のサバイバルドラマ映画。主演のトム・ハンクスはアカデミー主演男優賞にノミネートされた。
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ウェルメイドの脚本の映画(キャスト・アウェイの感想)

つい数年前に公開されたように感じていたが、あれから24年も経っているとは信じがたい。おかげでヘレン・ハントはすっかりオバアサンになってしまっている。そう思うと、たかだか4年間漂流していただけで変わってしまうトム・ハンクスの人生のなんと儚いことか。

雨の中でのヘレンとの涙の別れは、まあ、「マディソン郡の橋」のような、アメリカ人の多くが身につまされるメロドラマである。

一方、映画を通じて、メンフィスのディック&ベッティーナ工房からは2つの荷物が出荷される。ひとつは冒頭で、ベッティーナのロシアにいる夫に届けられた荷物。夫は愛人から「カウボーイ」と呼ばれている。そして2つ目は(おそらく木曜に集荷されて)ハンクスが後生大事に封を開けず、ラストシークエンスで自ら工房に届ける荷物である。工房の看板からは「ディック」が外されている。
ベッティーナに会えず帰ろうとしたハンクスに声をかけたベッティーナ(ラリ・ホワイトというカントリー歌手だが、すでに物故している)は、別れ際に「じゃあね、カウボーイ」と言う。ハンクスは十字路に立ち尽くす。

ハンクスは何ごとも実行前にテストする慎重な性格なのだが、さてこれからどうするのだろうと観客が想像する余地を残した、しゃれた終わり方だった。
つまりこれはウェルメイドな脚本の映画だと思う。

キャスト・アウェイの見どころ

国際宅配便会社フェデックスのシステムエンジニアが、飛行機事故で無人島に漂着し、たった一人でサバイバル生活を送る姿と、その後の人生を描いた映画。

  1. トム・ハンクスの圧巻の演技
    トム・ハンクスが無人島での孤独な生活を生き抜く主人公チャック・ノーランドを驚異的なリアリティで演じた。絶望、希望、狂気、そして人間としての本能が剥き出しになる姿。セリフがほとんどない無人島でのシーンで演技力が発揮されている。
  2. 「ウィルソン」との絆
    無人島で唯一の「話し相手」となるバレーボールの「ウィルソン」。チャックが血の付いた手で顔を描き、名前をつけたこのボールは、単なる道具ではなく精神的な支えとなる。ウィルソンとの別れのシーンは映画史に残る名場面。
  3. 究極のサバイバル描写
    無人島での食料調達、火おこし、傷の治療、脱出のためのイカダ作りなど、リアルに描かれたサバイバル生活。極限状態での人間の生命力と知恵が試される。
  4. 時間の経過と変化
    チャックが遭難する前と後の姿を対比させることで、時間の経過とともに人間がどう変化していくかを描いた。無人島での4年間の孤独な生活が、彼の価値観や人生観に大きな影響を与え、彼を別人へと変貌させている。
  5. 「失って初めて気づくもの」の普遍性
    文明社会では当たり前だったものが、無人島では得られない貴重なものとなる。生還したチャックが、かつての日常や愛する人との関係にどう向き合うのか。失われた時間と、それでも残された希望とは。

トリビア・撮影裏話

  • トム・ハンクスは役作りのために、まず体重を約23kg増量し、その後、無人島での生活を終えた痩せこけた姿を演じるために、数ヶ月かけてまた約23kg減量。この減量のために撮影が一時中断された。中断期間中、ロバート・ゼメキスは同じクルーを動員して『ホワット・ライズ・ビニース』を撮影していた
  • バレーボールの「ウィルソン」は、当初脚本になく、脚本家ウィリアム・ブロイルズ・ジュニアが発案した。撮影に使われた本物の「ウィルソン」は、2021年のオークションで約3500万円(23万ポンド)という高値で落札された
  • 主人公がフェデックスの社員なので、フェデックス社が撮影に全面協力。メンフィス、ロサンゼルス、モスクワの貨物集積所での撮影を許可し、飛行機、トラック、制服なども提供した。墜落事故が出てくるのに協力したのは、脚本が同社の基本理念やグローバルな事業展開を強調し、「為せば成る」の精神を評価したためだった。フェデックス社のCEOフレッド・スミスも本人役でカメオ出演している
  • 無人島のシーンはフィジーのママヌザ諸島にあるモヌリキ島(Monuriki Island / Modriki Island)で撮影。本当に無人島であり、その美しい自然が映画のリアリティを高めている
  • 製作費は9000万ドル(約90億円)と言われており、全世界での興行収入は約4億2960万ドル(約430億円)を記録、大成功を収めた

キャスト・アウェイの人物相関図

キャスト・アウェイ あらすじ

1995年12月。チャック・ノーランド(トム・ハンクス)はフェデックス倉庫の生産性解決に世界中を飛び回るシステムエンジニアで、テネシー州メンフィス在住のケリー・フレアーズ(ヘレン・ハント)と長年付き合っている。親族と過ごすクリスマスの最中、チャックはマレーシアでのトラブル解決のため呼び出されるが、悪天候のために貨物機が太平洋に墜落。脱出した彼は緊急用救命ボートに乗り込み、ある無人島の海岸に漂着していた。救助信号を砂浜に描き、救命ボートの残骸で脱出を試みるが、高波に阻まれ失敗。食料・水・住処を探し、荷物の箱を開封して使えそうな物を選り分けるが、天使の羽が描かれた箱だけは開けずにおいた。ウイルソン製のバレーボールに顔を描き、ウィルソンと名付け話友達とするチャック。自分が見つかるには、救助機がテキサス州の2倍の広さを捜索する必要があると判明し、チャックは救出の希望を失うが……

キャスト・アウェイを観るには?

キャスト・アウェイのキャスト

チャック・ノーランド – トム・ハンクス
ケリー・フレアーズ – ヘレン・ハント
スタン – ニック・サーシー
ベッカ・トウィグ – ジェニファー・ルイス
ユーリ – ピーター・フォン・バーグ
ジェリー・ロベット – クリス・ノース
ベッティーナ・ピーターソン – ラリ・ホワイト
アルバート・“アル”・ミラー – ヴィンス・マーティン
本人役 – フレッド・スミス

キャスト・アウェイのスタッフ

監督 – ロバート・ゼメキス
脚本 – ウィリアム・ブロイルズ・ジュニア
製作 – スティーヴ・スターキー、トム・ハンクス、ロバート・ゼメキス、ジャック・ラプケ
製作総指揮 – ジョーン・ブラッドショウ
撮影監督 – ドン・バージェス
美術 – リック・カーター
編集 – アーサー・シュミット
作曲・指揮 – アラン・シルヴェストリ
衣装 – ジョアンナ・ジョンストン
VFXスーパーバイザー – ケン・ローストン
VFX – ソニー・ピクチャーズ・イメージワークス
サウンドデザイン – ランディ・トム
アソシエイトプロデューサー – スティーヴン・J・ボイド
キャスティング – ヴィクトリア・バロウズ

『キャスト・アウェイ』は、人間の孤独と生命力、そして希望を描いた普遍的なテーマを持つ映画です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。

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