『毒戦 BELIEVER』ってどんな映画?
巨大麻薬組織の姿なきボスを追う執念の刑事と、組織に捨てられた青年の危険な潜入捜査を描く。ジョニー・トーの『ドラッグ・ウォー 毒戦』をベースに、脚本のイ・ヘヨンとチョン・ソギョンが韓国独自の狂気とスタイリッシュな要素を加えて大胆にリメイク。緊迫の映像世界を構築し、イ・ヘヨン監督が息もつかせぬテンポで描ききった犯罪アクションサスペンスの傑作。
麻薬取締官のウォノ刑事(チョ・ジヌン)は、姿を現さない組織の最高権力者「イ先生」を長年追い続けていた。ある日、組織の麻薬製造工場が爆破され、生き残った青年ラク(リュ・ジュンヨル)が警察に連行される。母親を爆破で亡くし組織への復讐を誓うラクは、ウォノの潜入捜査に協力することを決意。二人は危険な闇ルートへと足を踏み入れていく。
見どころは、裏社会の怪物のごとく立ちはだかる個性豊かなキャラクターたちと、役者陣による怪演の応酬。中国の巨大麻薬市場を仕切る狂気のバイヤー、ハ・ハリム(キム・ジュヒョク)とその妻ボリョン(チン・ソヨン)の圧倒的な狂気がウォノたちを揺さぶる。さらに、組織の冷酷な幹部ソンチャン(パク・ヘジュン)や、不気味なカリスマ性を放つ謎の男ブライアン(チャ・スンウォン)らが登場し、誰が本当の「イ先生」なのか、騙し合いのドラマが加速していく。
信じる者と、裏切る者。その果てに二人が導き出す選択。全編を貫くバイオレンスと緊迫感、そして雪原で迎えるあまりにも切ないラストシーンが観る者の胸を抉る、韓国ノワールアクションの最高峰。
あらすじ
巨大麻薬組織のボスにして、その本名も顔も知られていない麻薬王イ先生の逮捕に執念を燃やす麻薬取締局のウォノ刑事。なかなか尻尾すら掴めずにいたある日、麻薬製造工場で爆発事故があり、現場から1人の青年ラクが救出される。そこでウォノは、組織に捨てられたラクと手を組み、危険な潜入捜査を敢行する。
キャスト
ソ・ヨンナク – リュ・ジュンヨル
チン・ハリム – キム・ジュヒョク
ブライアン・リー – チャ・スンウォン(特別出演)
オ・ヨノク – キム・ソンリョン
パク・ソンチャン – パク・ヘジュン
ポリョン – チン・ソヨン
ドンヨン – キム・ドンヨン
ジュヨン – イ・ジュヨン
チェ・ジョンテ部長 – ナム・ムンチョル
イ・ジョンイル – ソ・ヒョヌ
キム・ソヨン – カン・スンヒョン
カン・ドクチョン – チョン・ジュノン
ドンウ – チョン・ガラム
チャ・スジョン – クム・セロク
手話通訳士 – パク・ソニョン
見どころ
アジア最大の麻薬組織を巡る刑事と麻薬王の息詰まる攻防を描いた映画。
- 緻密なストーリーと先の読めない展開
アジア最大の麻薬組織のボス「イ先生」を追う刑事と、組織の裏切り者であると同時に協力者でもある青年という、複雑に絡み合った人間関係。誰が味方で誰が敵なのか、誰が「イ先生」なのか、最後まで予測不能な展開。裏切りと策略が幾重にも張り巡らされた緊張感。 - 息詰まる心理戦と銃撃戦
刑事と麻薬組織、そして組織内部の人間たちが繰り広げる、息詰まるような心理戦。韓国映画らしい容赦ないバイオレンス描写、迫力満点の銃撃戦、カーチェイスといったアクションシーンも満載。 - リュ・ジュンヨルとチョ・ジヌンの名演
リュ・ジュンヨルは組織の裏切り者でありながら、刑事と協力して「イ先生」を追う青年・ラクを演じる。冷徹で何を考えているか分からないミステリアスな雰囲気を持ちながら、深い孤独を抱える複雑な内面を表現している。チョ・ジヌンは麻薬組織のボス「イ先生」を追い続ける執念の刑事・ウォノを演じる。正義感に燃えるが、目的のためには手段を選ばない刑事の狂気じみた情熱を演じている。この二人の演技合戦、特にウォノがラクを「飼い慣らそう」とし、ラクがウォノを利用しようとする、一見協力関係でありながら互いを疑う関係性が見どころ。 - 麻薬組織の不気味な世界観
「イ先生」という伝説的な麻薬王の存在が、組織全体に不気味な影を落とす。組織の幹部や手下たちも一筋縄ではいかない個性的な面々が揃っており、その異様な世界観が観る者を惹きつける。 - パク・ヘジュンとキム・ジュヒョクの怪演
組織の人間として登場するパク・ヘジュン(ブライアン)や、故キム・ジュヒョク(中国の麻薬組織のボス)が強烈。キム・ジュヒョクの狂気をはらんだ怪演は遺作としても語り草になっている。 - 「BELIEVER」の意味
タイトル「BELIEVER」(信じる者)が何を意味するのか。誰が誰を信じ、何が真実なのかが問われている。
聾唖兄妹コンビがすごく良い
「ハピネス」を見た後にハン・ヒョジュで探したら、本作の続編に出ていることがわかったので、正編から見ることに。
名前も顔もわからない麻薬王「イ先生」をめぐるクライムアクションで、ジョニー・トーの『ドラッグ・ウォー 毒戦』のリメイクらしい。
主人公である麻取(チョ・ジヌン)は、爆破されたアジトで生き残った連絡係(リュ・ジョンヨル)に協力させ、組織の上層部になりすまして中国の原料バイヤーを騙しながら、さらにそのバイヤーになりすましてイ先生に接近するという危険な捜査に挑む。
この関係者は全員ヤク中のようなアブない人間であり、中でもタガの外れた津田寛治のようなキム・ジュヒョクが圧巻(本作はこの俳優の遺作で、クレジットに献辞がある)。
さらにここにブライアン理事(チャ・スンウォン)という本物の組織上層部の人間が現れ、主人公の作戦がばれ、事態は一気に混戦になっていく。
リョ・ジョンヨルが主人公を連れていく麻薬精製工場の天才的な技術者を演じるのがキム・ドンヨンとイ・ジュヨンの聾唖兄妹コンビで、これがすごく良い。
イはアイドルグループ出身の人なのだが、韓国の俳優は気合が違うなー。
毒戦 BELIEVERを観るには?
毒戦 BELIEVER トリビア・撮影裏話など
- ジョニー・トー監督の『ドラッグ・ウォー 毒戦』のリメイクだが、韓国独自のテイストとアレンジが加えられている。キャラクター造形や物語の結末は大きく異なる
- チョ・ジヌンは刑事役のために体重を大幅に減量。リュ・ジュンヨルは、何を考えているか分からないラクの役を演じるために、現場で口をきかないようにしていた
- 中国の麻薬組織のボス役を演じたキム・ジュヒョクは、公開前に不慮の事故で死亡。遺作の一つとして怪演が記憶に残った
- 観客を常に疑心暗鬼にさせるような演出を意図的に行っている。例えば、誰が「イ先生」なのかという問いを、視覚的にも曖昧にするなど
- 韓国国内で大ヒットを記録し、その年の韓国映画の興行収入ランキングでも上位に食い込んだ
劇中に登場する犬(ラブラドールレトリバー)が物語の鍵となる。撮影のために犬の訓練にもかなりの時間が費やされた



