「顔」(2009年版)ってどんなドラマ?
あらすじ
東京の劇団で役者として活動する井野良吉に、映画出演の話が舞い込んだ。しかし良吉には全国的に顔が売れることを恐れる理由があった。9年前に人を殺していたのだ。9年前、妊娠したからと結婚を迫るガールフレンドの山田ミヤ子を温泉旅行に連れ出した良吉は、殺害の前にミヤ子の知り合いである石岡貞三郎に顔を見られていた。この9年間、良吉は興信所を使って貞三郎の動向を調べ続けていた。これまでは、島根県に住む貞三郎と顔を合わせる心配はなかった。
良吉は、ミヤ子の親戚を装い、ミヤ子の殺害犯を見つけたので面通しをして欲しいと京都に貞三郎を呼び出す。貞三郎を殺すことが目的だったが、貞三郎は途中で偶然に出会った良吉の顔に気づかなかった。貞三郎は犯人の顔を覚えていないと安堵した良吉は殺害計画を中止し、映画スターとして脚光を浴び始めた。その映画を見た貞三郎は、良吉の些細な仕草から、自分が目撃した殺人犯が良吉であることを思い出す。
感想
ドロップの缶が宝箱のように見える云々はドラマオリジナルだろうが、むかし読んだ原作は、筋を忘れてしまった。
顔を見られてしまった谷原章介は、石岡貞三郎を殺すために京都で待ち合わせるのだが、約束の時間を前に、昼食に立ち寄った芋棒煮の店で偶然隣り合わせてしまい、肝を冷やす。
しかし石岡が気づかないために安堵し、約束の場所には現れず、そのまま東京に戻ってしまう。
この待ちぼうけを食わせたことに大地康雄が怪しさを感じ、芋棒煮の店で隣り合った男の正体を突き止める話かと思ってしまったが、それでは75分におさまりきるまい。
清張の原作は短編であり、シンプルなのであって、映画で成功しつつある劇団俳優が、顔が売れることを恐れている、という設定の妙がこの短編の魅力である。昭和31年当時、映画がいかに大衆的な娯楽だったかということがわからないと、谷原の恐怖は実感できないかもしれない(もちろん、わたしだって知らないわけだが)。
谷原はもちろん、原田夏希や石岡(高橋和也、大地康雄など、全体的に役者の顔が大写しになるのが、ノスタルジックな効果を生んでいる。
テレビとは不用意に醜いクローズアップを映してしまいがちなメディアだが(ワイドショーなどでは今でもクローズアップだらけである)、ドラマというジャンルではあまりそういうことがないようだ。
きっと俳優がいやがるのだろう。
谷原の演技はとてもよかった、最後の取調室のくだりは、あの演技がなくては成立しないものである。
芋棒というのは海老芋(京野菜ね)と棒鱈の炊き合わせだそうで、小倉の田舎刑事が食べたがるようなものではないような気がする。
そのへんのおかしさも、きっとあるのだろう。
「顔」(2009年版)を観るには?
「顔」(2009年版)作品情報
キャスト
山田ミヤ子・葉山瞳 – 原田夏希
石岡貞三郎 – 高橋和也
田村刑事 – 大地康雄
杉本 – 中本賢
石井昌吾 – 塩野谷正幸
林田 – 谷本一
中江刑事 – 瀬川亮
石岡美智子 – 押元奈緒子
女給 – 美保純
スタッフ
脚本 – 中園健司
音楽 – 佐橋俊彦
演出 – 伊勢田雅也
北九州ことば指導 – 下川江那
技斗 – 中村覚司(オフィス童武)
ロケ協力 – フィルムサポート島田、フィルム微助人、小山町フィルムコミッション
制作統括 – 加賀田透
制作・著作 – NHK

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