『邪魔〜主婦が堕ちた破滅の道』ってどんなドラマ?
平凡な日常に忍び寄る、暗い不調和音——。
直木賞作家・奥田英朗の真骨頂たる長編サスペンスを圧倒的臨場感でドラマ化!
第129回直木賞を受賞した奥田英朗の同名傑作サスペンス小説を、石田ひかり主演でテレビ東京「水曜ミステリー9」枠にて実写化。
ごく普通の日常を生きていたはずの主婦が、夫の勤務先の不審火事件をきっかけに少しずつ狂気と疑惑の渦へと呑み込まれていく心理サスペンス。
キャスト
及川恭子(パート主婦) - 石田ひかり
九野薫(本城署刑事) - 中村獅童
及川茂則(恭子の夫でシンクテクト本城支社社員) - 宅間孝行
スーパーの組合運動員 - 徳井優、阿知波悟美
花村義明(本城署組対課刑事) - 堀部圭亮
井上貴司(本城署刑事) - 田中幸太朗
榊原正彦(スーパー店長) - 矢柴俊博
パート仲間 - 榊原るみ、大島蓉子、森脇英理子、清水由紀、千葉雅子
荻原仁志(茂則の同僚) - 佐伯新
九野早苗(九野の亡妻) - 広澤草、ひがし由貴、ひがし由貴
及川の部下 - 石井テルユキ
啓子(大倉の愛人) - 建みさと
シンクテスト社員 - 碓井将大、中島弘輝、木田佳介
及川香織(恭子と茂則の娘) - 遠藤璃菜
及川健太(恭子と茂則の息子) - 生駒星汰
狩野健斗
大倉一郎(帝和会の男) - 小沢和義
林葉将太(スーパー社長) - 螢雪次朗
看護師 - 野々村のん
鴨下亮二(チンピラ) - 小野ゆたか
記者カメラマン - 木原勝利
大野妙子(放火の目撃者) - 夏川加奈子
今井由香里 - 浅田光
吉野晃弘
若瀬太一 - 河津浩滉
アナウンサー - 山元隆弘
工藤和正(本城署刑事課長) - 矢島健一
警察署長 - 尾﨑祐司
感想
原作は昔読んで、滅法面白かったおぼえがあるのだが、話の内容はまるで忘れてしまっていた。
今年の春に「鬼女の棲む家」の石田ひかりに今さら感心したのだったが、思い返すと、この女優が腹のすわった女の役どころに開眼したのは、本作(2015、43歳)の頃だった気がする。
蛍雪次郎
パート先の組合運動員に唆されて、パートの待遇改善を訴えて労働契約書へのサインを拒み、職場で孤立し、社長(蛍雪次朗)とも対立した挙句、活動費をせしめた組合員があっさり手を引いてハシゴを外され、しかし度胸を見込んだ螢雪次朗に抱きつかれて、「セックスしたいんなら風俗に行けよ!」と啖呵を切ったものの、気を変えて「1000万出しな」と言い放ち、750万に値切られて事務所のテーブル上で犯され、終わった頃にはすっかり覚悟(何の?)を決めている、という役柄である。
中村獅童
横領の証拠隠しに会社に放火した夫(宅間孝行)を「スケールが小せぇんだよ!」と見限り、それでも家族を守るために模倣放火をしようとして見つかり、刑事(中村獅童)を刺して逃げ、どんどん堕ちていく石田の姿にはしびれる。ラストでは子どもの元に帰ることすら諦めて一人で生きていくことを選ぶアウトローのダークヒロインという造形(放心の仕方がヤクザ映画的である)は、桐野夏生の『OUT』などに触発されたのではないかと思う。
堀部圭亮
ドラマは、それと並行して中村獅童の刑事の屈託(石田に似た女との過去のトラウマがあるらしいのだが、ドラマでは何があったのかよくわからない)や堀部圭亮の悪徳刑事(凄味のある二枚目役である)との対決などが描かれ、やはり滅法面白かった。
『邪魔〜主婦が堕ちた破滅の道』を観るには?
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『邪魔〜主婦が堕ちた破滅の道』作品情報
原作 – 奥田英朗『邪魔』
脚本 – 金子ありさ
演出 – 白川士
警察監修 – 尾崎祐司
法律監修 – 久島和夫
殺陣 – 大道寺俊典
ロケ協力 – 綾瀬市、綾瀬ロケーションサービス、あやせ市ブタッコリ~ロケ隊 ほか
技術協力 – フォーチュン
美術協力 – テレビ朝日クリエイト
音響効果 – メディアハウスサウンドデザイン
編集・MA – バスク
プロデューサー – 角田正子、入江広明、渡辺一仁「
チーフプロデューサー – 橋本かおり
製作 – テレビ東京 、BSジャパン、ザ・ワークス
『邪魔〜主婦が堕ちた破滅の道』の原作
平穏な日々が、暗転する――その幸福は、本物ですか?
奥田英朗、初期の傑作にして大藪春彦賞受賞作!
ほんの小さなきっかけから追い詰められてゆく人たち。
どうして自分が、こんな目に。
ドアホンを手に取ると「警察です」という男の低い声が恭子の耳に飛び込んだ。
心臓が早鐘を打つ。ドアホンを置く手が小さく震えた。
怖がることなんか何もない。
うちは貧乏でも金持ちでもない平凡な家庭なのだ。
何も起こるわけがないじゃないか。
(本文より)
妻を事故で亡くして以来、不眠に悩まされている刑事、九野。スーパーのレジ係として働きながら子育て中の主婦、恭子。華やかではないが平穏な二人の日常が、ある事件を機に交錯し始める――。小さなほころびがいつの間にか取り返しのつかない事態へと発展する、人生のもろさ、人の危うさを描いた著者初期の傑作!



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