銀蝶渡り鳥

梶芽衣子(銀蝶渡り鳥)
梶芽衣子(銀蝶渡り鳥)
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『銀蝶渡り鳥』は、1972年の日本映画。主演は梶芽衣子。

『銀蝶渡り鳥』ってどんな映画?

銀座の夜を裂く、白刃とキューの一撃。
義理を背負う女は、誰のために賭けるのか?

梶芽衣子が東映で初主演を飾り、山口和彦監督が都会派任侠映画として仕立てた痛快作。凛とした迫力で仁義を通す樋口ナミを軸に、渡瀬恒彦演じる手配師・東隆次、梅宮辰夫演じる銀座の顔役・松平紳之助らが、退廃と熱気の渦巻く街を彩る。女番長の啖呵と都会的な装いを両立させる、梶芽衣子のスター性が鮮烈だ。

舞台は、クラブ「ブロンコ」とビリヤード場を中心にした銀座の裏社会。ホステスたちの結束、古い義理でつながる男たち、新興勢力の横暴が交錯するなか、スリークッションを勝負の舞台へ変える大胆な趣向が光る。歌謡映画の華やぎ、任侠劇の情念、そして一触即発のアクションを凝縮した一本である。

あらすじ

不良グループ「緋桜会」の女番長・樋口ナミ(梶芽衣子)は、仲間の仇として本庄組の幹部を刺殺し、栃木刑務所へ収監されるが、矢島の妻・小枝子(続圭子)が減刑を嘆願したことで3年で出所。しかし殺された男にすがって泣く小枝子と幼い息子の姿を忘れられずにいた。東京へ戻ったナミは、父の旧友・原田(清水元)が営む銀座のビリヤード店に身を寄せ、小枝子の行方を捜す。
手配師の東隆次(渡瀬恒彦)から、小枝子がクラブ「ブロンコ」のホステスで、病気療養中と聞かされたナミは、隆次の紹介で自らもブロンコに勤め始め、正体を明かさずに稼いだ金を小枝子へ届け続ける。ところが、ブロンコのママ・佳代(小山明子)の恋人であり、隆次の兄貴分でもある松平紳之助(梅宮辰夫)を追う新興勢力・大和田(南原宏治)興業が、紳之助の名刺を持つナミに目をつけ、ブロンコ乗っ取りを仕掛ける。ナミは、佳代(小山明子)と店を守るため、「三ッ玉の竜(丹羽又三郎)」とのビリヤードの大勝負を申し出、銀座のしがらみと暴力の論理に、己の腕と意地で立ち向かっていく。

キャスト

樋口ナミ - 梶芽衣子
東隆次 - 渡瀬恒彦
佳代 - 小山明子
大和田 - 南原宏治
五木ひろし(ミノルフォン) - 本人
京子 - 石井富子
ユカ - フラワー・メグ
古川とめ - 園佳也子
矢島小枝子 - 青柳三枝子
ユーさん - 由利徹
勇 - 植田峻
美樹 - 円山理映子
三ッ玉の竜 - 丹羽又三郎
原田 - 清水元
宮本 - 北川恵一
花井 - 佐藤晟也
秋山 - 土山登士幸
賀山 - 団巌
大和田の子分 - 須賀良
西村 - 相馬剛三
みどり - 小林千枝
ホステス - 続圭子
賭場の客 - 谷本小代子
女囚 - 荒木祥子
ずべ公(緋桜会) - 白石恵美子
香織 - 田中あけみ
賭場の客 - 河野洋子
ずべ公(緋桜会) - 亀井和子
賭場の客 - 藤井まゆみ
矢島満 - 亀山達也
大和田の子分 - 佐川二郎
大和田の子分 - 清水照男
大和田の子分 - 畑中猛重
銀子 - 川崎純子
宏 - 川崎京三
香織の男 - 守山竜二
バーテン - 金子洋一
刑務所長 - 山田甲一
バーテン(クレジットなし) - 木村修
松平紳之助 - 梅宮辰夫

感想

1969年から1970年にかけて、梶芽衣子は日活女優として20本もの映画(うち5本は『野良猫ロック』シリーズで準主役、ほかに主演1作)に出て、テレビでも『大江戸捜査網』などに出ていたのだが、1971年に日活がロマンポルノに移行したため退社。本作は東映初主演映画であり、撮影中に藤純子が引退したため、梶はポスト藤純子として売り出された。当時25歳であった。

本作はポール・ニューマンの「ハスラー」(1961)を女でやるという企画で、梶は「私にピッタリ」と快諾したというが、ビリヤードは初挑戦だったとか。私も学生時代(この映画の10年後)にはずいぶんやったが、街のビリヤード場には本当に清水元みたいなおじさんがいて、親切に教えてくれたものだ。梶も未体験だったので対戦相手の丹羽又三郎(三ツ玉の竜)に教えてもらったらしい。
銀蝶渡り鳥
さて、女番長だった梶がヤクザ幹部を刺して刑務所に入るが、刺した男の妻の減刑嘆願により3年で出所したところから、映画は始まる。

恩を返そうとするうちに自然に銀座のホステス(つまり銀蝶)になってしまうのだが、当時の銀座は戦災孤児あがりの不良やヤクザ、花売り娘や靴磨きなどがウヨウヨしている場所だった(ちなみにオイルショック直前である)。幅を利かせているのは新興の大和田組で、梶のいるクラブの借金を肩代わりして乗っ取りをはかる。
そこで店の権利書をかけての大勝負が、ビリヤードのスリークッションというわけ。大和田組は凄腕のハスラーを雇い、梶はたじたじとなるが、相手はシャブ中で、シャブが切れて自滅して勝負は梶の勝ち。たいして盛り上がっていないが大丈夫?
銀蝶渡り鳥
負けたのに開き直る大和田組を抑えて助け舟を出したのが梅宮辰夫だったが、そのあとあっさり暗殺されてしまう。そこで「銀蝶ブルース」が流れ、雨の中傘をさして渡瀬恒彦と合流し、二人で殴りこみをかけるお馴染みの展開になる。大和田組は二十人以上いるのだが、ブルーフィルムの鑑賞会をやっているところが時代を感じさせる。梶は仕込み傘で組長を含む全員を叩き切る。

夜明けの中央通りをパトカーがやってきて、二人は「渡り鳥はそろそろ帰らないとね」的なことを言って大人しくパトカーに乗り込み、映画は終わるのだが、再犯だし数十人殺したのだから、当然死刑である。どうやって続編(『銀蝶流れ者 牝猫博奕』)につながるのかと思ったら、設定の引き継ぎはなかった。やっぱそうだよね…

『銀蝶渡り鳥』を観るには?

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『銀蝶渡り鳥』作品情報

監督 – 山口和彦
脚本 – 松本功、山口和彦
音楽 津島利章
主題歌 梶芽衣子『銀蝶渡り鳥』
撮影 – 仲沢半次郎
編集 – 長沢嘉樹
製作会社 – 東映東京撮影所
配給 – 東映
公開 – 1972年4月1日
上映時間 – 87分

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