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展開の速さはいつもの黒岩調だが…(グレイトギフトの感想)
大学附属病院に検査入院中の元総理が急死。遺体を解剖した気弱な病理医(反町隆史)は謎の球菌を発見する。口腔から胃に入り血管を通って心臓に到達、そこで毒素を発して心不全を誘発した後、頸部動脈洞に集合し、皮下組織内に嚢胞を作り、体温の低下とともに消滅するという生物兵器的球菌である。
警察への通報を理事長に止められた反町は、思い余って反理事長派の教授(佐々木蔵之介)に助けを求めるのだが、佐々木は球菌を使って理事長を殺害してしまう…という第1話のプロットは、凡庸な脚本なら5話程度になり、佐々木の背信がクール前半のクライマックスになるところだろう。
展開の速さとめまぐるしい主客転倒は黒岩勉の脚本の特徴で、かつて「僕のヤバイ妻」(2016)で、ほとんどワンクール分に匹敵するプロットを初話だけで展開していたのに感心したことがある。
物語のモチーフはどうやら「心不全」である。佐々木が人質にしている反町の妻は拡張型心筋症で、治療の鍵らしい「心筋細胞シート」とはヒトiPS細胞による心筋細胞治療薬。つまり殺人球菌と同様、妻の心不全も佐々木が握っているということになるが、しかし佐々木は2話目か3話目あたりで死ぬと思う(すでに3話目まで放映済みなのだが…)。
反町に好意を持つ検査技師に波瑠(手術衣が「BORDER」を思い出させる!)、元総理の愛人で会員制クラブのオーナーに倉科カナ、反町の娘に藤野涼子、というキャスティングはなかなかに期待させる。
グレイトギフト 見どころ
「完全犯罪を可能にする殺人球菌」というユニークな設定で、医療ドラマでありながらも、サスペンスやミステリーの要素が強い、先の読めない展開のドラマ。
- 病理医という視点
あまりスポットが当てられることのない病理医に焦点を当てた斬新さ。患者の体から採取された組織や細胞を診断し、病気の原因や病態を解明する病理医の仕事が物語の鍵。 - 反町隆史の新境地
クールな印象の反町隆史が小心者で内向的、しかし内に秘めた情熱を持つ病理医を演じる。 - 予測不能なストーリー展開
殺人球菌の正体、そしてその球菌を巡る病院内の権力争いや裏切りが複雑に絡み合い、誰が敵で誰が味方なのか、最後まで目が離せない展開。毎週新たな謎が提示され、飽きさせない工夫が凝らされた。 - 豪華なキャスト陣
波瑠、佐々木蔵之介、尾上松也、筒井道隆、坂東彌十郎、津田健次郎、倉科カナ、高橋文哉、沢村一樹など、豪華な俳優陣が登場し、思惑が交錯する。裏表のある人物、謎を秘めたキャラクターを演じる俳優の演技に見応え。 - スリリングな心理戦と人間ドラマ
殺人球菌を巡る争いは登場人物たちの欲望、野心、保身といった人間らしい感情がぶつかり合う心理戦。病院という閉鎖的な空間の中で繰り広げられる人間関係の駆け引きも見どころ。
グレイトギフト あらすじ
舞台は大学病院。ある患者の不審死をきっかけに、うだつの上がらない病理医・藤巻達臣(反町隆史)が発見した未知の殺人球菌「ギフト」――。この球菌が体内に侵入すると、まもなく患者は死亡。その後、球菌は完全消滅し、死因は急性心不全としか診断できなくなる。まさに《完全犯罪の殺人》を可能にする、世にも恐ろしい球菌だった!この驚異にして脅威の新発見によって藤巻の人生は激変。《院内の熾烈な権力争い》に「ギフト」を利用する強欲な医師たち、「ギフト」を金に換えようとする権力者たち、《「ギフト」による謎の連続殺人》を追う警察組織。そして…重い病に倒れた最愛の妻。藤巻は瞬く間に《殺人球菌をめぐる陰謀の渦》に飲み込まれ、やがては引き返せなくなって…。
図らずも権力の階段を駆け上がることになった藤巻は、殺人球菌をめぐる壮絶なサバイバルで生き残れるか?生と死、正義と悪――葛藤の末にたどり着いた先で、彼が見る光景とは一体…!?そして、院内に球菌を持ち込み、連続殺人事件を招いた真犯人は?
グレイトギフトを観るには?
グレイトギフト キャスト
藤巻達臣 – 反町隆史
久留米穂希 – 波瑠
■明鏡医科大学付属病院
○病理部
奈良茉莉 – 小野花梨
伊集院薫 – 盛山晋太郎(見取り図)
○心臓外科
郡司博光 – 津田健次郎
白鳥稔 – 佐々木蔵之介
○その他
鶴下綾香 – 片山萌美
本坊巧 – 筒井道隆
奥野信二 – 坂東彌十郎
関根美登里 – 周本絵梨香
後藤恵梨香 – 大藤由佳
■アルカナム
安曇杏梨 – 倉科カナ
立花佑真 – 市川知宏
キャスト – 田代琴美、安陪恭加、いずみかわみほ
■警視庁
神林育人 – 尾上松也
月足修平 – 濱正悟
■藤巻の関係者
藤巻麻帆 – 明日海りお
藤巻あかり – 藤野涼子
■神林の関係者
神林琴葉 – 中島瑠菜
グレイトギフト スタッフ
音楽 – 得田真裕
演出 – 本橋圭太、星野和成
ゼネラルプロデューサー – 横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー – 髙野渉(テレビ朝日)、菊池誠(アズバーズ)、岡美鶴(アズバーズ)
制作協力 – アズバーズ
制作著作 – テレビ朝日
『グレイトギフト』は、従来の医療ドラマとは一線を画す、エンターテイメント性の高いミステリードラマです。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。