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ペイチェック 消された記憶

4.0
ユマ・サーマン(ペイチェック 消された記憶) 映画
ユマ・サーマン(ペイチェック 消された記憶)
『ペイチェック 消された記憶』は、2003年公開のアメリカ映画。ジョン・ウー監督。原題は「Paycheck」で、フィリップ・K・ディックの短編小説「報酬」(原題:”Paycheck”)が原作。日本公開は2004年3月13日。
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ペイチェック 消された記憶ってどんな映画?

フィリップ・K・ディックの短編「報酬」を、香港アクションの巨匠ジョン・ウーが映画化した近未来SFアクション。機密保持のために3年間の記憶を消されたエンジニアが、手元に残された「20個のガラクタ」をヒントに、巨大な陰謀と自分自身の過去を追う物語。
今となってみるとキャスト陣は「主役級」の宝庫。主演のベン・アフレックユマ・サーマンはもちろん、後に『デクスター』でブレイクするマイケル・C・ホール、『コールドケース』のキャスリン・モリス、そして演技派のポール・ジアマッティが脇を固めている贅沢さ。ジョン・ウーらしい「鳩」や「二丁拳銃(風のアクション)」といった様式美と、ディック特有の記憶と運命を巡るテーマが融合した、見応えのあるエンターテインメント作品。

あらすじ

マイケル・ジェニングスは高額報酬で引き受けた3年間のプロジェクト完了後、記憶を消去される。しかし銀行で受け取ったのは予想の報酬ではなく、19個のガラクタだけだった。FBIに追われる中、これらが記憶消去前の自分が用意した計画的な道具と気づく。オールコム社の未来予知装置が人類の破滅を招くことを知った彼は、レイチェル・ポーターと共に装置破壊を目指す。ガラクタは全て逃亡と装置破壊に必要なもので、腕時計のおかげで銃弾を回避、代わりに上司ジミーが死亡。爆発に紛れて2人は逃亡し、後に宝くじの当選券を見つけ出した。

キャスト

マイケル・ジェニングス(エンジニア) – ベン・アフレック
ジミー・レスリック(社長) – アーロン・エッカート
レイチェル・ポーター(パーティで出会った女性) – ユマ・サーマン
ショーティー(親友) – ポール・ジアマッティ
ジョン・ウルフ(レスリックの秘書) – コルム・フィオール
ドッジ(エージェント) – ジョー・モートン
クライン(エージェント) – マイケル・C・ホール
リタ・ダン(女弁護士) – キャスリン・モリス

感想(初回視聴時)

前半、ヒチコックふうのサスペンスアクションを撮るという意図が感じられる(サヨナラサヨナラの男ならそれについて喋ってくれたはずだ)のだが、ジョン・ウー自身に実際そのつもりがあったとはとても思えない。これであればまだしも、ジョディ・フォスターが妊婦とは思えない激しいアクションを演じていた(つくづく体育会系の女優だ)「パニックルーム」のほうがヒチコックを思わせ、「ペイチェック」の主演男優はケーリー・グラントよりずっと頭が悪そうで、ストーリー展開が不自然に感じられるほどだ。

ディックが書いた「ペイチェック」の原作「報酬」は――それにしても、完全にストーリーが破綻をきたしている「シミュラクラ」をだれか映画化しないものだろうか、「アイ・ロボット」よりも断然面白くなると思うのだが――スピルバーグの「マイノリティ・リポート」のそれほど陰鬱なものではなかった。
ポール・バーホーベンの「トータル・リコール」の原作「記憶売ります」と同様、主人公には行動の主たる根拠がなく、抜け殻じみたロボットのような存在だ。

実際、この映画の主役には、コミック雑誌から抜け出たようなシュワルツェネッガーのほうがふさわしかったはずだ(そのほうがたやすく主人公を賢く見せることもできたろう)。ユマ・サーマンも悪くないのだが、長身をもてあましているような印象を受けた。

同じシーンを繰り返しうるジョン・ウーは、観客をなめきっているのだ。

大通りの十字路に面したカフェ店内で、追われている男が、ある品物を持って恋人がやってくるのを待っている。やがてドアを開いて入ってきた女は店内をまっすぐ進み、大きなウインドウを背に彼の前に座る。だが男はまだ体の緊張を解かず、女の表情を読もうとしている。これは罠かもしれないと疑っているからだ。女は、私のことを愛しているのなら信用してと言う。

たとえばそんなシーンを、われわれはもう数えきれないほど見続けてきたのではないか。それにもかかわらず同じことを繰り返しうるジョン・ウーは観客をなめきっているのである。

二度見るほどの映画ではなかった。

ペイチェック 消された記憶を観るには?

ペイチェック 消された記憶 作品情報

監督 – ジョン・ウー

脚本 – ディーン・ジョーガリス

原作 – フィリップ・K・ディック「報酬」

製作 – ジョン・デイヴィステレンス・チャンマイケル・ハケットジョン・ウー

製作総指揮 – ストラットン・レオポルド、デヴィッド・ソロモン

音楽 – ジョン・パウエル

撮影 – ジェフリー・L・キンボール

編集 – ケビン・スティット、クリストファー・ラウズ

製作会社 – ドリームワークス

配給 – アメリカ パラマウント映画、日 UIP

公開 – アメリカ 2003年12月25日、日本 2004年3月13日

上映時間 – 118分

ペイチェック 消された記憶の原作(フィリップ・K・ディック)


ジェニングズは数年間、ある会社のために働いていた。その間の記憶は失われてしまうものの、巨額の報酬を受け取るはずだった。だが、報酬として受け取ったのは、ガラクタ同然の物ばかり。記憶を失う前に、それらのガラクタを大金のかわりに受け取るという契約書にサインしていたのだ。いったい自分は何を考えていたのか…ジェニングズは失われた記憶を求める冒険をはじめた!映画化された表題作など、傑作12篇を収録。

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