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積木くずし

成海璃子(積木くずし 最終章) ドラマ
成海璃子(積木くずし 最終章)
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映像化された積木くずし

積木くずし 〜親と子の200日戦争〜(ドラマ、1983年2月15日-3月29日)

高部知子(積木くずし 〜親と子の200日戦争〜)

高部知子(積木くずし 〜親と子の200日戦争〜)

リアルタイムで進行していた「積木くずし現象」

原作本が発売されたのが1982年9月。それからわずか4ヶ月足らずという異例のスピードでドラマ化。
当時は日本全国の中学校で校内暴力や暴走族、シンナーといった「少年非行」が最悪のピークを迎えており、時代背景と完璧に合致したことで、日本中の親世代・子ども世代が固唾をのんで画面に見入る社会現象に。

少女たちの「リアルなツッパリ文化」の描写

赤く染めた髪、極端に長いスカート(スケバンファッション)、派手な化粧、シンナーを吸う狂気的な姿など、当時の不良少女たちの生態が生々しく描かれている。特に、お茶の間で親に暴言を吐き、家具を破壊する家庭内暴力のシーンが、当時の視聴者に凄まじいトラウマと衝撃を与える。

劇的なエンターテインメント性への脚色

穂積の原作は父親の視点から淡々と綴られたノンフィクションだったが、ドラマ版では視聴者を惹きつけるために多くのフィクション(脚色)が加えられた。ドラマ後半では、更生に向けた親子の心理戦がサスペンス調で劇的に演出され、毎週高い緊張感を維持したまま最終回の「感動の更生」へと繋げた。
なお、登場人物の名前は「穂積」から「穂高」へ、娘の役名も「香緒里」とされている。

高部知子の鬼気迫る演技

ヒロインを演じたのは、清純派アイドルとして売り出し中だった高部知子。髪を金髪(劇中では赤髪)に染め、凄みのある声で親を脅し、狂乱する不良少女役を体当たりで熱演。天才的演技と称賛され、高部の出世作となると同時に、「積木くずし=高部知子」という強烈なイメージを日本中に植え付けた。

本作が残したもの

このドラマの大ヒットにより、「非行少年は親の愛情と対話で必ず更生できる」という強烈なメッセージ(美談)が世間に定着したものの、あまりにも綺麗にまとまりすぎたため、後に現実の穂積家で起きた「再非行による逮捕」「家庭崩壊」という裏切りが、世間からより一層バッシングを受ける原因ともなった。

キャスト

穂高香緒里 – 高部知子
穂高信彦 – 前田吟
穂高三枝子 – 小川真由美
竹村宏 – 古谷一行
三枝子の友人 – 弓恵子
マミ – 牛山蕗子
他校の不良少女 – 鈴木真代
不良の上級生 – 村野仁美
暴走族仲間 – 吉田葉子、丸山千景、桜井ゆうこ、町田真一
浩二 – 川原田新一
中学校教師 – 大石吾朗
中学校校長 – 真田健一郎
少年課刑事 – 久富惟晴
少年課々長 – 横沢裕一
穂高のマネージャー – 住吉正博
刑事 – 常泉忠通
家裁判事 – 糸博
家裁調査員 – 川野耕司
三枝子の主治医 – 灰地順
三枝子の母親 – 本間文子
信彦の母親 – 滝奈保栄
島倉千代子 – 島倉千代子

スタッフ

原作:穂積隆信「積木くずし 親と子の二百日戦争」
脚本:上條逸雄
音楽:中村八大
撮影:宇野晋作
監督:日高武治、土屋統吾郎
プロデューサー:黒田正司(東宝)、山本典助
制作:東宝、TBS

 

積木くずし(映画、1983年11月3日公開。東宝企画製作)

巨匠・新藤兼人による「父親への冷徹な視点」

本作の最大のポイントは、近代映画協会の巨匠である新藤兼人が脚本を手掛けたこと。
テレビドラマ版が「親子の愛と対話による更生美談」を劇的に描いたのに対し、新藤の脚本は冷徹。非行に走る娘だけでなく、「娘をのけ者にして自分の仕事やエゴに生き、いざ問題が起きると家庭をショー(見世物)のように扱う父親」の滑稽さやエゴイズムを厳しく突いた。のちに現実の穂積家が迎える「美談の崩壊」を予言するかのような、非常に深みのある人間ドラマである。

藤田まこと・いしだあゆみの抑えた演技

父親役の藤田まことは、『必殺シリーズ』『はぐれ刑事純情派』の人情味あふれるキャラクターではなく、時代に取り残され、娘に怯え、世間体ばかりを気にする「弱い父親」をリアルに演じた。母親役のいしだあゆみも、崩壊していく家庭の中で精神的に追い詰められていく母親の孤独と狂気を見事に体現した。

角川三人娘に並ぶ、渡辺典子の鮮烈なデビュー

娘の由布子(由香里にあたる役)を演じたのは、当時、薬師丸ひろ子・原田知世に続く「角川三人娘」の一人として注目されていた渡辺典子。
高部知子が見せた「生々しいスケバン像」とは異なり、どこか冷めた、しかし心の奥底に深い闇と寂しさを抱えた少女を演じた。シンナーによる狂乱シーンや、親への激しい暴力シーンを文字通り体当たりで演じきり、日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞している。

ドラマ版との決定的な違い

ドラマ版は、派手な演出とわかりやすい勧善懲悪(愛が非行に勝つ)でカタルシスを与える「娯楽作」だったが、この映画版は、「なぜこの家庭は崩壊したのか」「本当に悪いのは子どもだけなのか」を観客に問いかける、重厚でシリアスな「文芸映画」と言える。ラストの描き方も、ドラマ版のような手放しのハッピーエンドではなく、どこか重苦しい余韻を残すものになっている。

キャスト

穂波高介 – 藤田まこと
穂波美知江 – いしだあゆみ
穂波由布子 – 渡辺典子
竹田潔 – 林隆三
少年相談室事務員 – 和気喜和子
河野 – 三谷昇
高介の知人 – 森川正太
高介の知人 – 磯村みどり
よしこ – 二宮さよ子
土肥たか子 – 風見章子
のり子 – 須藤由香
笹原明子 – 有元瑞枝
笹原咲枝 – 稲野和子
直美 – 玉木弓子
直美の仲間 – 井上結花子、加藤茂雄、星野浩司
浩太郎 – 荒川亮
三郎 – 館川喜年
森山峰子 – 杉浦一恵
原宿の少女 – 川島光代
K町中学のツッパリ – 武石明美、相沢真由美、中村ゆきの、佐々木なおみ、瀬野かおり
中村 – 河原崎長一郎
中村由美 – 弓恵子
河野 – 井上昭文
宇沢医師 – 坂部文昭
K町中学校校長 – 高原駿雄
K町中学校担任・須川 – 菅貫太郎
A坂中学校校長 – 和崎俊哉
A坂中学校担任・佐伯 – 大林丈史
私立明生中学校校長 – 矢島高人
仙北中学校校長 – 横沢祐一
渋谷署警部補 – 勝部演之
酒巻 – 佐藤仁哉
赤坂署巡査 – 下川辰平

 

スタッフ

原作:穂積隆信
脚本:新藤兼人
監督:斎藤光正
音楽:羽田健太郎

 

積木くずし(映画)を観るには?


 

積木くずし崩壊、そして…(ドラマ、1994年4月5日19:03-21:48)

瀬能あづさ(積木くずし崩壊、そして…)

瀬能あづさ(積木くずし崩壊、そして…)


1983年の前作は「親の愛で娘が更生した」というハッピーエンドで幕を閉じたが、本作はその綺麗事を真っ向から破壊。劇中では、大ヒットによる莫大な印税とメディア露出がかえって家族を狂わせ、娘が寂しさから再非行(薬物)に走り逮捕される様子、さらには巨額の税金や借金問題によって夫婦が離婚へ至るまでの10年以上に及ぶ家庭崩壊のプロセスが生々しく描かれた。
キャスティングや演出も非常にエッジが効いており、コメディアン・タレントとしてお気楽なキャラクターだった高田純次を起用。莫大な借金に追われ、娘の裏切りに絶望し、妻と憎み合いながらボロボロになっていく父親の姿を鬼気迫るシリアスな演技で体現して、視聴者に「人間・高田純次の凄み」を植え付け、高い評価を得た。
娘役を演じたのは、当時アイドルグループ(CoCo)を卒業したばかりだった瀬能あづさ。清純派のイメージをかなぐり捨て、再びシンナーに溺れて狂乱し、家庭をめちゃくちゃにしていく少女の心の闇を熱演。1983年の高部知子、渡辺典子に続く「積木くずしの娘役」としての重責を果たした。
原作者の穂積も、なんと自分の家庭を追い詰める「借金取りの男」の役でカメオ出演。自分が書いた本によって人生を狂わされた家族のドラマに、自ら「崩壊を加速させる悪役」として登場する演出は、当時の視聴者に強烈なインパクトと、実話ならではの言い知れぬ恐ろしさを与えた。
本作は、「かつて日本中を感動させた美談の、あまりにも残酷な答え合わせ」を世間に提示するために制作された、執念のドラマであり、1980年代の華やかなトレンディドラマの流行が一段落した1994年において、「かつて日本中が感動した美談の、あまりにも凄惨な後日談」として、衝撃的な「ドキュメンタリー的ドラマ」として記憶された衝撃作だった。

キャスト

泉信隆 – 高田純次
泉良子 – 大谷直子
泉朋美 – 瀬能あづさ
金融業者役 – 穂積隆信(原作者本人)

スタッフ

原作:穂積隆信「積木くずし-崩壊、そして…」
脚本:西岡琢也
監督:小澤啓一
制作:G・カンパニー、テレビ東京

 

積木くずし真相 〜あの家族、その後の悲劇〜(ドラマ、2005年9月2日・3日21:00-22:54)

安達祐実(積木くずし真相 〜あの家族、その後の悲劇〜)

安達祐実(積木くずし真相 〜あの家族、その後の悲劇〜)

娘の視点から描かれた「美談の嘘」と本当の真相

1983年ドラマ・映画・1994年ドラマが、すべて「父親の視点」から描かれた物語だったのに対し、本作は、「娘の朋美(安達祐実)が主治医(中井貴一)にだけ打ち明けていた真相」という構成で、初めて娘の視点が色濃く反映された。
世間を感動させた「親子の格闘と更生」は、父親が世間体を取り繕うために美化したものであり、その大ヒットによって「本物の家族崩壊」が始まっていく様子が克明に描かれている。

豪華キャストによる壮絶な「家族の泥沼」

『家なき子』で社会現象を起こした安達祐実が、20年の時を経て新たな『積木くずし』の娘役を怪演。凄絶な自傷行為、狂乱、そして少年院での孤独や病魔との闘いなどを圧倒的なリアリティで熱演し、視聴者を震え上がらせた。
父親役の舘ひろしは、男のプライドと父親としての情けなさを、母親役の杉田かおるさんは、世間のバッシングと娘の暴力に晒され精神を病んでいく母親の壮絶な孤独を演じた。

2001年の「実母の自殺」への踏み込み

本作の最も重くシリアスなポイントが、劇中で母親(杉田かおる)が自ら命を絶つという展開。
現実の穂積家でも元妻は2001年に突如自死を遂げており、本作はそのタブーとも言える「母親の悲劇的な最期」から逃げることなく描写した。これにより、作品全体のトーンはこれまでのどの映像化よりも重厚で、かつ救いのない「実話の重み」を帯びている。

本作の位置づけ

単なる非行ドラマではなく、「メディアによって作られた美談が、一家庭をいかにして完全に破滅へと導いたか」を検証するような、極めてジャーナリスティックで冷徹な視点を持った名作である。平井堅の主題歌「POP STAR」の明るいポップソングが、ドラマのあまりの重苦しさ・悲劇性と対比され、独特な余韻を残したことも語り草に。

キャスト

稲場 信悟 – 舘ひろし
稲場 朋美 – 安達祐実
稲場 静子 – 杉田かおる
石塚 智子 – 鷲尾真知子
田宮 光子 – 木村多江
谷口 透 – 平山広行
緑川 サチ – 財前直見
高橋 順 – 武田鉄矢
杉原 憲一 – 藤木直人
野間 俊一 – 中井貴一(特別出演)
クマちゃん – 佐藤二朗
あゆみ – 金子さやか
郁子 – 久保田磨希
森山 – 阪田マサノブ
丸谷 – ほあししんいち
レポーター – 梨元勝
遠山俊也、藤田宗久、出光秀一郎、尾野真千子、ちすん、古本新之輔、天現寺竜、松元ヒロ、森康子、松山尚子 ほか

スタッフ

原作:穂積隆信「由香里の死 そして愛 積木くずし終章」
脚本:矢島正雄
演出:林徹
音楽:石田勝範
アクションコーディネイター:諸鍛冶裕太、橋口未和
医療指導:宮坂勝之
技術協力:ナックイメージテクノロジー
スタジオ:東京メディアシティ
プロデューサー:栗原美和子、吉田由二
制作著作:フジテレビジョン、スイート・ベイジル

積木くずし 最終章(2012年11月23日・24日放送)

成海璃子(積木くずし 最終章)

成海璃子(積木くずし 最終章)

あらすじ

非行に走った娘との闘いを綴った著書『積木くずし』が大ヒットし、一躍社会現象となった俳優・安住信幸(中村雅俊)。しかし、立ち直ったはずの娘・灯(成海璃子)は、「積木くずしの娘」という世間の偏見や好奇の目に晒され続け、再び居場所を失っていく。さらに、ベストセラーが生み出した数億円という膨大な印税をめぐり、妻・祥子(石野真子)との間に決定的な亀裂が発生。金銭感覚を狂わせた祥子は怪しい男に騙され、新興宗教や愛人の沼へと落ちていき、ついに信幸と離婚。その後、信幸は再婚するものの、灯は不遇な孤独の中で病に侵され、2003年に35歳の若さでひっそりと息を引き取る。信幸は娘の遺品整理のなかで日記を見つけ、家族への叫びと本当の真実に直面する——。

見どころ

  • 当時13歳の成海璃子による壮絶な「不良少女」の鬼気迫る怪演
    金髪・激しい暴言・家庭内暴力を全身全霊で演じきり、天才子役・若手実力派女優としての評価を決定づけた圧巻の演技。
  • 中村雅俊×石野真子が魅せる「印税と名声に狂わされた夫婦」のリアル
    世間から持ち上げられた「美談」の陰で、金と虚栄心によって夫婦関係が破綻していく過酷な人間ドキュメンタリー。
  • さだまさしの「しあわせについて」が包み込む切ない余韻
    愛しながらも崩壊してしまった家族の悲哀を、さだまさしの切なく温かい歌声がドラマティックに彩る。

感想

7冊も続編が出た原作も読んだことがないし、最終回視聴率45%という不倒の記録を生んだ高部知子のドラマも見ていないのだが、どうも続編が出るたびに最初から語り直されているものなのか、本作は1956年の穂積夫婦のなれそめから始まる。穂積隆信を演じているのは中村雅俊だが、青年期から老年期までそのままなので、中村が本当は何歳なのかわからなくなる(あとで見たら放映は2012年)。

穂積隆信という人は70年代におそろしく大量の映画やテレビドラマに出まくっていた人だし、「積木くずし」は社会的ブームとなって印税や映像化権料などもかなり得たはずだが、それら及び別荘などを売り飛ばした金を、悪徳会計士と妻が持ち逃げしたことが本作で明かされている。

しかしながら、そのへんの事情の詳細や、穂積由香利(本作では成海璃子が演じる)が実際にナイトクラブ「積木の家」を経営していたり、ヌードになったり、結婚して離婚したりした経緯は、本作を見てもよくわからないようになっている(そもそも由香利はアメリカ留学などもしていて、本作で描かれている娘とは人物像が一致しない)。
本作では介護福祉士として働きはじめる寸前に亡くなったことになっているが(2005年の安達祐実版ドラマの設定を引き継いでいる)、それも実際は違うらしい(?)。

由香利の父親が誰なのかという問題も結局よくわからないままである。

特に映像化されたものはすべてフィクションと銘打っているので、重要と思われる部分が曖昧なまま、「私たち家族にとって『積木くずし』とは何だったのか」というお化けみたいな話にまとめられているのが、非常に気持ち悪い。

キャスト

安住信幸 – 中村雅俊
安住灯 – 成海璃子
椎名祥子 – 石野真子
黒沼善久 – 袴田吉彦
菊池紗織 – 横山めぐみ
佐竹省三 – 上川隆也(友情出演)
白石博志 – 柴俊夫
安住美希子 – 高島礼子
喫茶店経営者 – 立石涼子
宮下弁護士 – 菅田俊
大山 – 穂積隆信
新人俳優達 – 松下洸平、中山優貴、松島庄汰
灯の担任教師 – 鳴海剛
吉本 – 奥田達士
その他
池田愛、兎本有紀、氏家恵、七枝実、阿南敦子、石井テルユキ、中上五月、小橋川よしと、野貴葵ほか

 

スタッフ

原作 – 穂積隆信
脚本 – 酒井雅秋
演出 – 村上正典
介護指導 – 高井豊
法律監修 – 中島博之
警察監修 – 伊藤鋼一
医療監修 – 佐々木理恵
スタントコーディネイター – 釼持誠
技術協力 – バスク
美術協力 – アックス
スタジオ – 砧スタジオ
プロデューサー – 吉田由二、森安彩
編成プロデュース – 水野綾子
制作 – フジテレビ
制作著作 – スイート・ベイジル、共同テレビ
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積木くずしの原作

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