悪魔のいけにえ

マリリン・バーンズ(悪魔のいけにえ)
マリリン・バーンズ(悪魔のいけにえ)
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『悪魔のいけにえ』(原題:The Texas Chain Saw Massacre)は、1974年のアメリカのホラー映画。

『悪魔のいけにえ』ってどんな映画?

陽光に焼かれた田舎道、逃げ場はどこにもない。
チェーンソーの爆音が日常を切り裂く悪夢――

トビー・フーパー監督が低予算の現場から叩きつけた、スラッシャー映画の原点にして異形の傑作。マリリン・バーンズ演じるサリーの絶叫と、ガンナー・ハンセン扮するレザーフェイスの無言の存在感が、説明を拒む生理的な恐怖を刻み込む。『悪魔のいけにえ2』へ連なるシリーズの出発点でありながら、その荒々しい独立性は今なお鮮烈。

墓荒らしの噂が漂うテキサスの荒野、給油所、朽ちた屋敷――文明の届かない風景が不安を増幅させる。人皮の仮面、唐突に閉ざされる扉、理解不能な家族。血の量ではなく、暑気と騒音が縁どる空間設計が観客を追い詰める。

あらすじ

1973年8月、墓荒らしと異常な殺人事件が相次ぐテキサス。祖父の墓が荒らされたと知らされたサリー・ハーデスティ(マリリン・バーンズ)は、車椅子の兄フランクリン(ポール・A・パーテイン)、ジェリー(アレン・ダンジガー)、カーク(ウィリアム・ヴェイル)、パム(テリー・マクミン)たちと墓の無事を確かめにやってくる。
途中、車に乗せたヒッチハイカーがナイフで自分の手を傷つける異常行動をとって車外へ追い出された。さらに立ち寄ったガソリンスタンドでは燃料切れで、一行は不穏な空気を抱えたままハーデスティ家の実家跡へ。カークとパムはガソリンを分けてもらいに自家発電機付きの隣家を訪ねるが、そこには人の皮の仮面を着けた男(ガンナー・ハンセン)が潜んでいた――

キャスト

サリー・ハーデスティ - マリリン・バーンズ
ジェリー(サリーの恋人) - アレン・ダンジガー
フランクリン(サリーの兄) - ポール・A・パーテイン
カーク(フランクリンの世話をする) - ウィリアム・ヴェイル
パム(カークの恋人) - テリー・マクミン
ババ・ソーヤー(レザーフェイス) - ガンナー・ハンセン
ナビンズ・ソーヤー(ヒッチハイカー) - エドウィン・ニール
ドレイトン・ソーヤー(ガソリンスタンド店主) - ジム・シードウ
グランパ(じい様) - ジョン・ドゥガン
ラジオのナレーター - ジョン・ラロケット
トラックの運転手 - エド・グイン

感想

4Kデジタルリマスター版というので、30年ぶりぐらいに再見して、少し退屈さを感じていたが、やはりマリリン・バーンズの凄まじい悲鳴が止まらない、スナッフ・フィルム寸前の終盤には、ソファから動けなくなるのだった。

今回気づいたのは、マリリンの表情や血走った眼球をしつこく捉え続けるクライマックスの晩餐シーンが、マルクス兄弟を思わせることである。

このシーンで、ガソリンスタンドを経営する長男ドレイトン(ジム・シードウ)、次男を飛ばしてヒッチハイカーの三男ナビンズ(エドウィン・ニール)、四男のおなじみレザーフェイス(ガンナー・ハンセン)、というソーヤー一家が初めて揃う。

一家を象徴する存在である四男が最も地位が低く、扉を壊したと怒られてはシュンとしている。ラストカットでひたすらチェーンソーを振り回す姿はイノセントそのもの(ハーポ)。
序盤から画面に出てくるナビンズは、誰よりもセリフが多いが、そのロジックは意味不明で、何を話しているのかわからない(グルーチョ)。
コック役のドレイトンはいちばんまともそうに見え、弟たちを叱ってくれそうに見えて、お調子者であり、結局事態を悪化させることしかしない(チコ)。

このシークエンスの白眉は、かつては牛の屠殺名人だったが、今はミイラ化して生きる屍のようになっているヨボヨボの祖父(ジョン・ドゥガン)に、無理やりハンマーを持たせ、血受け用のバケツの上で、マリリン・バーンズの頭を一撃させようとする狂ったスラップスティックシーンである。まさにマルクス兄弟的な黒い笑いの真骨頂と言える。

『悪魔のいけにえ』を観るには?

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『悪魔のいけにえ』作品情報

監督 – トビー・フーパー
脚本 – キム・ヘンケル、トビー・フーパー
製作 – トビー・フーパー、ルー・ペレイノ
製作総指揮 – ジェイ・パースレイ
撮影 – ダニエル・パール
音楽 – ウェイン・ベル、トビー・フーパー
編集 – ラリー・キャロル、サリー・リチャードソン
配給 – アメリカ:ブライアンストン・ディストリビューティング・カンパニー、日本:日本ヘラルド映画
公開 – アメリカ:1974年10月1日、日本:1975年2月1日
上映時間 – 83分

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