「スクール!!」ってどんなドラマ?
あらすじ
成瀬誠一郎は、中堅ゼネコンに勤めて20年、主にトンネル工事を中心とした土木作業一筋の人生を送った。そんな中、勤務していたゼネコンが突然倒産してしまう。夢も希望も失った成瀬の元に、小学校時代の恩師である武市幹城の推薦で、母校である公立小学校・新宮(しんぐう)小学校の民間校長の就任要請の話が舞い込む。
最初は戸惑い気味だった成瀬だったが、武市のたっての願いから就任のオファーを受けることを決め、校長に就任する。
ネタバレ各話感想
ファーストインプレッション
朝、ベッドの中の教師が寝ぼけ眼で目覚まし時計の示す時刻に驚いて走って登校する、
というシーンを見たのは、「美咲ナンバーワン!!」「大切なことはすべて君が教えてくれた」に続いて、このドラマで3本目である。(今季は学校物が多いね。。。)
その眠りがストーリーのリドルに絡んでいる「大切なことは…」は、お約束を逆手にとっているとも言えるが、あとの2本は脚本家の怠慢と言えよう。
ただし、このドラマでは寝坊するのは北乃きいである。
江口洋介演じるガテン系の男は早起きという設定で、これはなかなか面白かった。
また、教師ではなく校長というところも良いひねりが効いているように思う。江口洋介はうざいのではないかと危惧したが、教師ではない分、受け入れられた。
「美咲…」が元キャバ嬢の高校教師、「スクール!!」が元トンネル掘りの小学校校長、ということで好対照な2本のドラマであるが、単純にこちらのほうが面白いと思う。
前季の月9の記憶がまだ新しい北乃であるが、前回の高校生役から今回は新米教師。
おいしい役は西島秀俊で、今後の展開はちょっと楽しみ。
第2話
Sケンは私の世代では聞いたことがないが、16歳の子はやったことがあると言っていた。実際、小学校で「イベント」を開催すると大変に盛り上がるそうである(学校にもよるだろうが)。
大学生の子が調査のために協力依頼したところ、3クラス分ぐらいの子が集まって、大盛り上がりだったそうだ。
それにしても、バレエレッスンに通うひっつめ娘は、なぜ同じ空気を発するのだろう。そういうシーンがあるわけでもないのに、中嶋春陽という子もまったくそういう感じである。
淡い初恋のお話にぴったりイメージ通りの可愛い子だが、ドラマのように極端な家庭環境にあって醒めた人生観でも獲得していないかぎり、現実にはキスしたりしないと思うので、少し非現実的な気がする。
しかしまあ、今は離婚家庭(母子家庭)がとても多く、「極端な家庭環境」は、珍しくもなく、ゴロゴロあるとも言える。
このドラマの主軸は江口洋介と西島秀俊の対決であることは、初回で十分に示されていて、それが順調にオーソドックスな展開をしているのは安心感がある。「冬のサクラ」といい、ベタなものへの回帰基調に沿ったドラマである。
第3話
このドラマ、小粒なのだが、どこか妙にバランスがいい。秦建日子の脚本がいいこともあり、江口洋介の演技と台詞に説得力がある。
教師の言葉に説得力があるのは、学園ドラマなら必須条件ではある。
「美咲ナンバーワン!!」の香里奈を見よ。あのドラマの失敗は香里奈に喋らせたことだと書いている人がいたが、まったく同感である。企画のミスマッチを乗り越えることができなかったのは残念だ。
一方、「大切なことはすべて君が教えてくれた」では、三浦春馬の言葉がうまく説得力が演出されている。こちらは、教師として失墜していく役柄なので、まずは説得力のある存在として描かれなくてはならない、という事情はあるのだが、ともあれそれは成功しているといっていいだろう。
さて給食費である。たかが5000円、されど5000円というところであろう。
成吾君の家のように滞納してしまうと、年間6万円であり、おいそれと払えなくなるのは理解できるし、正直、私もそういうハメに陥ったことがある。しかも学校関係の経費というのは、専用の郵便口座などを作らされてそこから引き落としになるなど、とかくメンドクサイのだ。
逆ギレする父親は田中要次で、ダメさ加減が出ていてよかった。
次回は塚本高史がうつ病になる話らしい。このことをちゃんとドラマで取り上げた例を私は知らないので、注目したいと思う。
第4話
せっかく教師のうつ病という問題を取り上げているにしては一面的で、実際はドラマのように単純ではないだろう。
しょせんはネタなのだが、現実に厄介なのは、このような事態に陥る前に塚本高史の異変をいかに察知し、そしてこのような人をどのように職場復帰させるのかという管理の問題である。実際には塚本のように辞表を出したりしないし、地方公務員はそんなに簡単にクビにはならない。
うつ病になろうがなるまいが、人生は続くのである。
もっとも、このお話のモチーフは「教師のうつ病」より「学級崩壊」が主なようだ。
現場では「崩壊」という言葉を使用することに激しい心理的抵抗があり、どこの小学校でも、日本語的な「荒れ」という曖昧な言葉で表現することが多いという。この言葉を最初に使ったのはNHKで、1990年代のドキュメンタリーであった。
モンペの問題などもあり、現在、小学校が置かれている状況はますます厳しくなっており、昨年11月の桐生市の小6女子自殺事件でも、学級が崩壊していたという報道があった。
4月から、落ち着きがなく、姿勢が悪い児童が目立つようになった。
7月には決められた席につくことに逆らう児童が増えてきた。
また、一部の児童が担任に暴言を吐くなどしたという。
8月下旬には、女子児童が反抗的な態度や、担任の発言に揚げ足を取る態度を見せるようになり、学級全体がまとまりを欠くようになった。
9月には、教室が非常に汚く、乱れていることが多くなり、数人の児童が、担任以外の教諭に『授業にならないことがある』と相談していたという。
その後、担任はクラスの落ち着きを取り戻そうと、ルール作りを行ったが、ルールを守ろうとする児童が少ないため、校長らも含めて指導を行った。(2010年11月19日 読売新聞)
今回のドラマの描写通りと言える。
学級崩壊とは、主に、全教科担任制である小学校における学級経営の破綻と言える(中学校のような9教科に別々の担任がつく体制にあって、9名の教師の授業が特定のクラスで崩壊することは、現実にはあり得ない。[「美咲ナンバーワン!!」のZ組のような例を除く])
全教科担任においては、学級は一種の密室だから、実態をリアルに把握できるのは担任だけである。そういう意味で塚本高史のようにノイローゼ状態に陥ることは十分あり得る。
今回のオハナシでは、モンペは登場しないようだが、現実では、さらに、崩壊したクラスの担任の管理能力を厳しく指弾するモンペも存在するのである。



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