そしてまた12課を作ったとされる、人事部長の長谷川初範という人物が謎である。これは映画的には、松重豊から久野真紀子を守る役割の人なのだが、昼間は個室で寝ており、仕事をしている様子はない。12課メンバーに対する評価はボロカスで、「12課の運命はきみ次第だ」と久野に熱く語ったりしている。
一方で、ビル警備室にも新人が入る。それが元力士の松重豊である。
松重の名は初代豊山に因んだものらしいのだが、大男ではあっても、元力士には見えない痩身で、当時の松重は、蜷川スタジオもやめ、職人として暮らしていたときに本作のオーディションを受けたらしい。
松重は内藤剛志など警備員仲間から殺していく。さんざん殺しまくった松重と長谷川初範が出くわすシーンがある。どうなることかと思っていると、
長谷川初範(兵頭)君か。噂はかねがね聞いていた。それにしてもこれはまたひどいな。自分がやってることがわかってるのか? え?
松重豊(富士丸)……
長谷川初範(兵頭)わからないんだな。よーし、要するに君は頭がおかしい。今から警察を呼んでくる。(手をクイクイして)鍵を貸してくれ。
松重豊(富士丸)……
(長谷川、ワゴンを松重のほうに滑らせて、)
長谷川初範(兵頭)じゃ、こうしよう。ワゴンの上に鍵を乗せろ。そしたらもう君は行ってもいい。
(松重、鍵をワゴンに乗せるが、ひっくり返して)
松重豊(富士丸)取りに来い。
長谷川初範(兵頭)(取りに行けないので)仕方がない。どこか出口を探すか。じゃあな。
(ポケットに手を入れて去ろうとするので、松重は仕方なく襲いかかるが、長谷川は防犯スプレーで松重を目潰しして逃げる)
という人を食ったやりとりになっており、かなり楽しい。






