あらすじ
孤独な日常を送る男の部屋に、お酒を飲む夜だけ現れる女性の幽霊。二人は徐々に親密になり、男にとってかけがえのない存在となる。しかしある日、幽霊にそっくりな生きている女性が危機に陥っている場面に遭遇し、男は彼女を救い出す。その日を境に、男の部屋に幽霊は二度と姿を現さなくなってしまう。
キャスト
感想
「もしかしたら、俺はなにか好ましくない循環に巻き込まれたのでは……」という幕切れの台詞は、まったくもって星新一ならではのフレーズだと思う。
言ってみれば、竹原ピストルが酔いのうちに見ていた幽霊(夏帆)は、実はどこかで助けを求めていた現実の女性の精神的な投影だった。あるいは竹原の無意識が捕らえたサインだったのかもしれない。
現実の彼女を救い出して生かすことができたため、もう「幻影としての幽霊」は必要なくなった、というオチである。
上記の台詞は、竹原がひたっていた酩酊の中のファンタジー(都合の良い孤独な癒やし)の世界は消え、重苦しい現実の人間関係や責任の中へ自分がふたたび引きずり込まれていることに気づいた、苦い余韻である。星新一の人間嫌いが透けて見える。
夏帆を久しぶりに見られてうれしかった。
『夜と酒と』を観るには?
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『夜と酒と』作品情報
脚本・演出 – 生越明美
ラインプロデューサー – 石川竜輝
キャスティング – 高柳亮博
助監督 – 家次勲
制作担当 – 齊藤光司
撮影 – 杉中敏行
照明 – 高坂俊秀
録音 – 丹野基樹
美術進行 – 岡村正樹
カラーグレーディング – 宮下蔵
MA – 塚本啓介
原作 – 「夜と酒と」1981年(『凶夢など30』所収)
『夜と酒と』の原作
あ、夢か。いやにはっきりしていた。
いい気持ちではないが、夢ではどうしようもない……。
都会からはなれた小さな入江で出会った老人と新婚の夫婦。その夜、老人が見たのは、新婚の二人が殺しあう夢だった。一年後、老人はまた同じ夢を見た。不思議な夢を気にした老人は、名産品を二人に送って様子をみる。礼状が届き、何事もなかったかと、安心する老人。この繰り返しが、何年も続いたのだが……。
夢想と幻想の交錯する不思議な世界にあなたを誘う夢のプリズム30編。



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