最愛

最愛の感想

2017年の「リバース」スタッフが再集結とのことだが、「夜行観覧車」（2013）、「Nのために」（2014）も同じで、いずれも奥寺佐渡子・塚原あゆ子コンビである。ただし本作は前3作とは異なり湊かなえ原作ではなく奥寺の完全オリジナル。満を持して、といったところか。

もっとも初回の印象は限りなく湊かなえ節。メインキャストが全員17歳を演じるという無理のあることをやっているが、吉高由里子が十分通じているところがすごい。特別出演ということて薬師丸ひろ子が少しだけ出てくるが、その撮り方が正しすぎるのに驚いた。

これも今季の目玉ドラマ。吉高は昨年の「知らなくていいコト」を越えられるか。

最愛の見どころ

1. 予測不能なサスペンスと複雑な人間関係
   「犯人は誰なのか？」「なぜ事件は起こったのか？」というミステリー要素が物語の軸だが、それ以上に、登場人物それぞれの複雑な心理と人間関係がメイン。誰もが秘密を抱え、誰もが犯人に見えるような巧みな脚本で、視聴者は常に推理しながら、その真相に引き込まれていく。最終回まで目が離せない展開。
2. 吉高由里子・松下洸平・井浦新の「三角関係」
   吉高由里子演じる梨央を巡る、初恋の相手である刑事・大輝（松下洸平）と、献身的に支える弁護士・加瀬（井浦新）の「最愛」の形が切なく描かれる。それぞれの立場や想いが交錯し、誰が梨央にとっての「最愛」なのか、そして「最愛」とは何なのか。
3. 「愛」というテーマの多面性
   血の繋がった家族愛、男女の恋愛、そして仕事への情熱など、様々な形の「愛」が描かれる。愛する人を守るためなら、どこまで踏み込むのか、どんな罪を犯すのか。
4. こだわりの演出と映像美
   塚原あゆ子監督（『アンナチュラル』『MIU404』など）ならではの、伏線を散りばめた緻密な演出、登場人物の心情を映し出すような美しい映像が特徴。過去と現在を繋ぐ光の描写や、キャラクターの心理を表す音楽の使い方も秀逸。
5. 「情報過多」な現代社会への問いかけ
   SNSでの情報拡散や、メディアによる印象操作など、現代社会における情報化の進展が、事件や登場人物の人生にどう影響するかという側面も描かれる。真実が何であり、何を信じるべきなのか、という問いかけも含まれている。

最愛のあらすじ

真田梨央（吉高由里子）は新薬開発に尽力する真田ウェルネスの若き女性社長。実業家として成功を収め、メディアにも注目される存在です。しかし彼女には封印された過去がありました。
15年前、故郷の岐阜で高校生だった梨央は、陸上部のエースとして活躍し、地元で暮らす宮崎大輝（松下洸平）とは将来を誓い合った初恋の相手だった。そんなある日、梨央の弟が失踪し、その夜に寮で事件が起こります。その出来事をきっかけに、梨央は故郷を離れ、記憶の一部を失ったまま生きていくことに。
そして現在、梨央が社長を務める会社の関連施設で、15年前の失踪事件に関わる人物の遺体が発見される。事件を担当する刑事は、皮肉にも梨央の初恋の相手・宮崎大輝（松下洸平）だった。再会した二人。大輝は刑事として梨央を疑いながらも、彼女を守りたいと願う葛藤に苛まれる。
さらに、会社の法務部で梨央を支える弁護士の加瀬賢一郎（井浦新）は、どんな時も彼女の味方となり、過去の秘密を共有する存在として尽力する。事件の真相が明らかになるにつれて、彼ら3人の複雑な愛と憎しみが交錯し、隠された真実が次々と明るみになっていく。

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