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下流の宴

3.5
美波(下流の宴) ドラマ
美波(下流の宴)
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下流の宴は、2011年5月31日より8回連続、NHK『ドラマ10』にて放送。収録中に東日本大震災が発生したため、脚本の一部を変更した。キャッチコピーは「医者のムスメ、国立大卒業、高学歴の夫、そんな私が「下流」になるの?」。
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下流の宴ってどんなドラマ?

格差社会を背景に、中流意識の強い専業主婦が、フリーターの息子が結婚したことで自らの家庭が「下流」へ転落する恐怖と、嫁との対立や家族の奮闘を描いた物語。
テーマは格差社会、親の価値観、自立、教育。由美子が誇る「医者の娘」というプライドと、貧しいシングルマザーに育てられた嫁・珠緒の「這い上がる」姿勢が対比される。嫁である珠緒は「私が医者になる」と奮起し、死に物狂いで勉強し、家族の歪みが修正されていく。

あらすじ

由美子は夫と2人の子供を持つ主婦。息子・翔は高校中退のフリーター、娘・可奈は上昇志向が強い。翔がフリーターの珠緒との結婚を宣言し、由美子は「下流」転落を恐れ反対。由美子は息子と「中流」家庭を守るため抵抗。珠緒は由美子の言葉をバネに医者を目指す。

見どころ

本作はNHKオンデマンドなどでの再配信でリバイバル的に注目を集めている。「格差社会」と「プライド」の描き方は驚くほど現代的である。

黒木瞳による「中流プライド」の崩壊と執着

黒木瞳が演じる由美子は「自分たちは中流の上」と信じて疑わない専業主婦。彼女が放つ「選民意識」の絶妙な嫌味さと、それが脆くも崩れていく姿が本作の核である。
彼女は息子がフリーターである現実を認められず、彼を「まともなレール」に戻そうと画策するが、今見るとホラーじみた滑稽さがある。息子が連れてきた結婚相手・珠緒(美波)への露骨な拒絶。由美子が抱く「あんな人たちと一緒にされたくない」という恐怖心は、視聴者の「選別意識」を容赦なく突く。

若き日の窪田正孝が見せる「虚脱感」

由美子の息子・翔を演じるのは窪田正孝。当時の彼の、どこか空虚で、何にも熱くなれない「ゆとり世代の虚脱感」が完璧。親が用意した「正解」の人生に背を向けてフリーターとして漂う幸せと、母親が押し付ける幸せの絶望的なズレが描かれた。

「下流」と蔑まれた女性の逆転劇

由美子から「下流」と見下された珠緒こそが実は誰よりも「生きる力」を持っていたという展開が、中盤以降の大きな見どころ。珠緒は由美子に認められるために医大を目指すし、塾講師の島田(遠藤憲一)との師弟関係など泥臭く努力を続け、由美子の「上品な虚栄」を次々と粉砕していく。

脇を固める「家」の重鎮

野際陽子は由美子の母・満津枝を演じて、旧家の格式を重んじ、由美子に「下流に落ちるな」と呪いをかけ続ける圧倒的な存在感を示した。渡辺いっけいは一流メーカーに勤めながら、リストラの影に怯え、家族の崩壊に目をつぶる夫を演じる。彼もまた、組織というシステムに縛られた犠牲者なのだ。

ここがポイント!
脚本を書いたのは『ドクターX』や『ハケンの品格』の中園ミホ。格差という重いテーマを扱いながら、エンターテインメントとして一気に見せる手腕は流石。「下流に落ちるのは、あっという間よ」という由美子のセリフはリアルな恐怖として発せられた。

キャスト

福原家とその関係者
 福原由美子 – 黒木瞳
 福原健治 – 渡辺いっけい
 福原翔 – 窪田正孝
 福原可奈 → 北沢可奈 – 加藤夏希
 北沢玲一 – 眞島秀和
 北沢響子 – 泉晶子
 木下満津枝 – 野際陽子
 本多妙子 – 山下容莉枝
 妙子の夫 – 田中登志哉
 島田直樹 – 遠藤憲一
 直樹の父 – 江藤純
 直樹の母 – 千咲としえ
宮城家とその関係者
 宮城珠緒 – 美波
 宮城洋子 – 余貴美子
 宮城悠太 – 菅原大吉
 宮城亮太 – 太賀
 糸数勝 – 長江英和
 糸数裕亜 – 柳下大
 居酒屋のお客さん – 比嘉モエル
可奈の合コン相手
 久保田 – 斉藤陽一郎
 松村 – 増田修一朗
 深谷晶子 – 西原亜希
 女子大生 – 桃瀬ツカサ大杉亜依里
漫画喫茶ブー
 店員 – 朝見朱伽
 店員 – 佐藤みゆき
 お客さん – 豊島由佳梨
 お客さん – 村上洋康
ボヘミアンリサイクル
 水谷龍彦 – 児嶋一哉
 お客さん – 泉里香
直樹出演TV番組
 キャスター – 今井耕二
 コメンテーター – 田嶋陽子
 キャスター – ちか
 コメンテーター – 阿部六郎
その他
 健治の部下 – 中村圭太
 お客 – 蛭子能収
 主婦 – 松山尚子
 東新宿署刑事 – 石沢徹藤元英樹
 女医 – 近内仁子
 笠井専務 – 津村鷹志
 コンサルタント – 笠木泉
 アナウンサー – 恒吉梨絵
 健治の同僚 – 酒元信之
 店長 – ミスターちん
 大学教授 – 品川徹

感想

ファーストインプレッション

沖縄の「なんくいなるさ~」的な演技を楽しんでいる美波は、深作欣二蜷川幸雄などに鍛えられ、モデルでありながら映画監督、編集者なども経験した多才な女優である。

黒木瞳はこういう俗物を演じるととてもイキイキしている。そういう意味で「同窓会~ラブ・アゲイン症候群」のヒロイン宮沢朋美はハマリ役だったが、美顔ローラーでコロコロしながらワイドショーにウンウン、なんて、こちらもかなり愉しんで演じているのが見て取れる。

原作は林真理子、毎日新聞の連載小説で、この3月に出たばかり。林真理子の書くものを読もうと思ったことはないが、とりあえず先が楽しみ。

あらためて見直して

放映時に初回を見てその後を期待したものの以降見逃してしまい諦めてしまったのだが、huluに入っていることを知ってようやく見直し、これはやはり名作であった。

窪田正孝が一切の努力というものをしないクズぶりを保ち続けるのが良い。というのは、原作通りであるらしいが、美波黒木瞳の煽りぶりがうまく、脚本の中園ミホは良い仕事をしたと思う。登場人物の描き方もしっかりしていた。

新橋のレッドペッパー、懐かしいなあ。

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下流の宴を観るには?

下流の宴 作品情報

原作 – 林真理子『下流の宴』(毎日新聞社刊)
脚本 – 中園ミホ吉澤智子
音楽 – 佐藤允彦
主題歌 – 高橋優「誰がために鐘は鳴る」
演出 – 勝田夏子柳川強西村武五郎
制作統括 – 中村高志
制作・著作 – NHK

下流の宴の原作(林真理子)


医者の娘で、「女は短大で充分」と言われた時代に4年制の国立大を出た主婦・由美子。夫の健治は一流メーカーの統括職で、自分たちは「中流家庭」であると自負している。しかし息子が高校を中退し成人後もフリーターをしていることで、中流家庭は瓦解。軌道修正に奔走する由美子だが、当の息子が結婚相手として連れてきたのは、所謂「下流の人」だった。
【毎日新聞朝刊2009年3月1日~12月31日連載】

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