ドラマ2011年のドラマ2010年代のドラマ

名前をなくした女神

4.5
尾野真千子(名前をなくした女神) ドラマ
尾野真千子(名前をなくした女神)
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また、尾野は最初から杏のことを知っていたことが明らかにされた。
初回で「会いたかった人に会えた」と息子に語っていたのはそういう意味で、これが今回のタイトルにもなっている「身も凍る再会」というやつである(いささか大袈裟にオドカシ過ぎだと思うが…)。
転校が多かった尾野は、かつて杏と同級生だったことがあった。いじめに遭っているところを救われた尾野は、杏を“心の友”と信じていたのだった。杏の携帯番号を「侑ちゃん」で登録している尾野は、最大限の期待をもって「ちひろよ!」と呼びかけるのだが、当然、杏は、いなくなってしまった転校生のことなど覚えていないのだった。
このへんの残酷さは形式的でリアリティがないのだが、尾野の激しい眼の動きによる演技と、それを追う細かいカメラワークで、スリル満点に表現されている。

ドラマは、「ひまわりの子幼稚園【くもぐみ】保護者と園児リスト」の作成者が尾野であることを早くも割ってしまった。最も不幸なママである尾野は、現時点で最も怪しい人物になったが、もちろん、これはミスリードなのであろう。

一方、倉科カナは、夫と自分が高校を中退していることにコンプレックスがあり(おそらくは子供ができたので結婚したという設定なのだろう)、東郷チャイルドスクールのアンケートで、思わず夫の学歴欄に「東大卒」と書いてしまう(自分の学歴を詐称しようとは思わないのが哀しい)。
すぐばれる嘘を書いて「フフフ…」と悦に入ったりしているのが浅はかで哀れなのだが、五十嵐隼士自身には学歴コンプレックスはない様子であるものの、こうした感情は、実際、経験したことのない者には信じられないほど激しいものだ。
浅はかな倉科はお受験を諦め、娘をチャイドルにしようと思いつく。何も知らない杏はその後もしつこく倉科を誘うので、倉科のはらわたは煮えくりかえるという寸法である。

りょうの夫は、いい歳をして、なんとモデルらしい。歳上の妻に収入があるのをいいことに、未だに若い娘と遊んでおり、40歳の誕生日を迎え、女としての自分が揺らぎはじめているりょうは、そのことに気づいているが、他人や子供たちの前では気さくな笑顔を崩さない。

木村佳乃と夫との関係は、今回は描写されなかったが、幼稚園のお受験に失敗したことを猛烈に恥じる木村は、娘にもそれを強要する。ママの喜ぶ顔を見たい娘(小林星蘭)はそれを受け入れるのだが、この娘がいつ壊れるかということが、ドラマの筋書きに影響してくるだろう。

今、試される親子の絆|試されたのは子役の演技力

イヤハヤ…先週予想した通り、早速、子供たちがコワレ始めた。
羅羅(DQNネームである)ちゃんの憎々しさは、まああんなものだろうけど、健太君の涙ボロボロは、すごい演技力だなー。
どんな子供にとってもママは絶対で、感情の動きを敏感に察知する。
倉科カナの憎悪を汲んだ羅羅ちゃんもしかり、お金を持たされていないから外食できず、体調を心配されて妊娠を疑われる尾野真千子の、早く帰らなきゃ!という焦りを敏感に察するメガネの爽君もしかりである。
かなりいい子の部類に入る、りょう家の海斗・空斗兄弟はまだ大丈夫だが、木村佳乃家のレイナちゃんはお父さんの薫陶が怪しい。8個の飴を3人で分けるにはどうすればいいのか悩んでいる彩香ちゃん(小林星蘭に、彩香が3個欲しいならそう主張して相手を説得しろ、とけしかける父親である。ビジネスハックに凝りかたまった、イマドキの成功者をよく表した父親像であらん。
ほんとにこんな親がいるのかなあ。

次回は悪夢のお茶会との由ww

お受験ママたちの赤い涙|杏はヒロインではなく登場人物の一人に過ぎない

尾野真千子の息子・爽君が泣きながら、「おとうさんが…おこっています、おかあさんが…ないています」と文章を作るくだりは、前々回の健太君の「仲間はずれは…ボクです!」と同じであり、なぜこの演出を二度繰り返したのかがわからない。
東郷チャイルドスクールは、まるで子役の集団面接会場のようだ。

4人のママたちをほぼ均等に追っているから、エピソードは満載であり、それぞれがどうつながっていくのかも容易に予想できるから、サスペンスが否応なしに高まる仕掛けである。

木村佳乃バカにするなを罵って喫茶店の席を立つ場面で、どうしたのかしらとオロオロする杏を、無神経すぎる、尾野真千子が冷静に指摘する。
ダークサイドに落ちかかっているし、他人の顔色を敏感に察知する毎日を送っている尾野ならではの台詞、という形をとってはいるが、ほとんどの視聴者は、ここでこの指摘をもっともだと思ったはずだ。
麿顔の夫・高橋一生に、尾野が妊娠していると吹き込んだのも浅墓すぎるし、覚えていないにしても、同級生だった尾野の名をかたくなに呼ばず、尾野の目の前でりょうを名前で呼ぶという態度も、わざとやってんのかと思わせる。
泥棒猫騒ぎでの立ち回りにしても同様で、ママ友のドロドロ交際に免疫がないとかいう以前に、おそらく女子校育ちの木村、尾野にとっては当然の想像力が欠如しているのである。杏は共学の出身で、しかも比較的男の多い環境で暮らしてきたということなのだろう。
杏が演じる秋山侑子というキャラクターにどうにも我慢がならない視聴者も、一定以上存在するはずだ。その意味で、このドラマはママの数だけ感情移入できる多元的な構造をもっている。

さて、ことあるごとに倉科カナの攻撃に絶体絶命に陥る杏であるが、おそらく今後クライマックスまでの間に形成されていくのは、りょうとの対決関係だろう。
今回の話で杏はりょうのネットショップを手伝うことになったが、メールの転送によって自宅でも仕事ができるということになっていた。
これが決定的な伏線となって事件が起こるはずである。
これにKEIJI(EXILE)の浮気もからんで、りょうのネットショップが何か危機に陥ることを意味するが、予想はまだできない。

夫の浮気といえば、平山浩行も何を考えているのかわからない。和食が好みで、子供のときは煮しめだけで何杯もおかわりをしたというこの男は、実の子である彩香ちゃんと同じ年頃の男の子とアパート住まいをする、地味な女との家庭をもつ二重生活を送っているようだ。その笑顔にはあまり屈託も危機感もなく、どういう心臓なのかよくわからない。

そして麿顔の高橋一生のセクハラ暴露文書。部下はなぜわざわざ尾野真千子に知らせに来たのだろうか。

最後に、今週の見どころは、尾野真千子が唇をゆがめて涙を流すシーンと、山本道子が嫁・木村佳乃に、「ニョーボーノセイダカラネ」と節をつけて嫌味を言うシーンであった。

ついに来た!最大の危機|ヒロインは尾野真千子

タイトルの「最大の危機」というのはりょうとの訣別のことではなく、捨て鉢になった尾野真千子が健太君の手をひいて山に消える事件のことだった。初回の冒頭で映っていた登場人物はこの二人だったのである。

よく見ればこのドラマもすでに6回であり、クライマックスだから、もはやあれこれストーリーの中心を動かすのは難しいのかもしれない。
りょうの「ジョーカー」コンビの仲はこわれることはなく、尾野真千子が再生していく物語が中心になるように思える。
実際、尾野の登場シーンは回を重ねるごとに増え、今や杏を上回るのではないか。「名前をなくした女神」のヒロインが尾野であることが決まった回であった。
尾野真千子は河瀬直美の映画で知られてはいるものの、わりと地味な映画を中心に活動している、基本的にマイナーな女優なのだが、このドラマによって、まさにブレイクしつつある過程に入ったと言っていい。

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