【実況】巨人の星 ※毎週金曜2話更新

第82回|左門の築いた城

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【前回(第81回|傷だらけのホームイン)のあらすじ】
予告通り大リーグボール1号を本塁打にした花形だが、特訓の代償で全身はボロボロ。ホームに向かって這い力尽きる姿に一徹や川上も真の男の勝負を見る。執念に心を打たれた速水は自らの浅はかさを恥じて球界を去った。

興奮さめやらぬアナウンサーの実況を、タクシーの後部座席で聞いている左門。
(ようやった花形と褒めてやりたか、ばってん、できることならこのわしがやりたかった・・・)
左門が大リーグボール最初の犠牲者になったのは記憶に新しい。
兄の無様な敗北に泣いている弟妹たちに左門は背番号99を見せ、
「星の何倍も苦しみ抜いてきっと叩いてみせるたい!」
と誓ったのである。

アパート「みどり荘」に着いて、左門は明るい顔でドアを開ける。
「どげんかしたとたい、そげんか顔をして」
花形に先に大リーグボールを打たれて左門の不機嫌を予想していた弟妹たち、ほっとする。

夕餉が始まり、腹を減らした弟妹を眺めながら、

夕餉が始まり、腹を減らした弟妹を眺めながら、

「わしがバットば握れんようになったら、誰がこの食欲ば満たしてくれる…」
と左門は考える。

そこへ日本スポーツの記者がドアを叩いた。
「あんたたちの用ばわかっとるわい」

「あんたたちの用ばわかっとるわい」

「先ば越されたわしの感想を聞きに来た…残酷な思いつきたい。あんたたちは、さっきわしがこのドアの外でつくった作り笑いば、ムチャクチャにしてしもうたとですぞ!」
あんちゃん!と出てくる弟妹たち。
「ちよ、ひろ、まさひろ、みち、さぶ! この2DKはわしの城ですたい、この城ば守らにゃいかんとですたい!

どうも~と帰っていく記者たちであった

どうも~と帰っていく記者たちであった

一方、ビンボなら負けない一徹と明子は・・・
「どうじゃ、後楽園の調子は」
「第一試合は11対2で巨人、第2試合ばっかり6対5で今9回の裏よ」
野球基地外の父娘の会話である。
「ほほう、金田か・・・」
花形に打たれた飛雄馬は登板させてもらえなかった。
しかし、大リーグボールは花形個人に負けただけ、その花形はまだ入院中。
花形との勝負は引き分けだったと言える、と川上。
「日本シリーズではお前の活躍に期待しておるぞ」
しかし飛雄馬は浮かぬ顔である。

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「誰もが生活がかかっている・・・花形のようにたった一打席で玉砕するわけにいかない事情の上に、大リーグボールは通用しているのだ。そんなお情け魔球が大リーグボールなものか!」
(これはなかなか深い台詞ではないか)

そして同じ記事を明子も見つけ、一徹に見せていた。
「大リーグボールを成長させ、改良する以外にあいつの生きる道があるか!」
といきりたつ。
「玉砕じゃない、犬死にじゃない、飛雄馬だけがメソメソしていられるか!」

再びみどり荘――
弟妹たちが寝た後…
「こんままじゃわしはダメになってしまう…」
左門は考えて眠れない。
「星君は新しい大リーグボールば引っさげて立ち直ってくる、すると花形はまた新しか打法でそれに立ち向かうだろう、残されるのはこのわしだけじゃ…」

年長の妹・ちよが眼を覚まし――
「よかとよ、たとえ今の生活がこわれてしまっても。あんちゃんは自分のやりたかこつばやったらよかとよ」
「わしでんわかっとる、時が来たら、たとえお前らが反対しても、この城が土台から崩れ落ちようともたちあがなきゃならんだろうことも・・・」

兄と妹の良いシーンであった。

日本シリーズが始まる。
パリーグを制した西本監督、対巨人戦の作戦を聞かれて、ある秘密兵器の選手に花形と同様の特訓をさせていると爆弾発言する。

ええっと驚く巨人軍

ええっと驚く巨人軍だった

【次回予告】
阪急の秘密兵器に対抗するため、飛雄馬は伴は多摩川で50円玉を狙う過酷な特訓を敢行。川上監督に直訴するが、「グリップ近くに当ててもファウルにされるだけ」と致命的な欠陥を指摘されてしまう。(第83回|根性の門限破り)
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